「エスティマ」「キューブ」生産を終える根本理由 人気の高かった国産車種が次々と消えていく
最近、かつて人気の高かった国産の主力車種が、次々と生産終了を発表している。トヨタではミニバンのエスティマが、2019年10月に生産を終える。8月以降はメーカーに向けた新規発注が締め切られ、販売を実質的に終了した。同じトヨタではLサイズセダンのマークXも、2019年12月に生産を終える。
日産は2019年中にコンパクトカーのキューブを終了させる。三菱パジェロも8月に国内向けの生産を終えて、三菱のホームページから削除された。
ファミリー向けのミニバンへの逆風
エスティマはLサイズの上級ミニバンで、初代モデルを1990年に発売した。本来であれば、2015年に行われたアルファード&ヴェルファイアのフルモデルチェンジに先駆けて、エスティマも一新されるはずであった。というのも、それまではまずエスティマが新型になり、そのプラットフォームやエンジンを使って、アルファード&ヴェルファイアを開発したからだ。
ところがこの流れとは異なり、アルファード&ヴェルファイアを刷新して残し、エスティマは廃止することになった。その理由は、日本では少子高齢化は避けられず、ファミリー向けのミニバンは売れ行きが厳しくなると予想されるからだ。
また最近は安全機能や環境性能の向上で、クルマの価格が高まった。これに伴って売れ筋車種が小さくなり、今では新車として売られるクルマの40%近くを軽自動車が占める。この内の85%は、全高が1600mmを超える車内の広いミニバン的な車種だ。小型車でもルーミー&タンクのような背の高い車種が人気で、ミニバンから乗り換えるユーザーも増えた。
そうなると4人乗車で荷物を積む用途なら、ミニバンを買う必要はなく、空間効率の優れたコンパクトカーや軽自動車で済む。
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