「エスティマ」「キューブ」生産を終える根本理由 人気の高かった国産車種が次々と消えていく

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カテゴリー別に見ると、セダンの減少が激しく、ワゴンはすでに車種数を大幅に減らした。今後は軽自動車が国内販売総数の半分近くまで増えて、コンパクトカーも根強く、総じて小さなクルマが中心の市場になる。

そしてセダン/ワゴン/SUVの上級モデルでは、輸入車が売れ行きを伸ばす。2019年の国内販売台数は1990年の68%まで減ったが、メルセデス・ベンツの国内登録台数は、逆に173%に増えている。輸入車は車種数が増え、日本車の価格上昇もあって、以前の割高感が薄れたこともある。

今後は小さなクルマは日本車、大きなクルマは輸入車、という役割分担が進みクルマの選び方も変化してくるだろう。

設計の古い従来型の販売はやめるべき

この流れは仕方ないともいえるが、海外でフルモデルチェンジを行いながら、日本では設計の古い従来型を販売するというようなことはやめるべきだ。設計の新しい車種は、衝突時の乗員保護性能も含めて安全性を進化させるから、従来型を売れば日本のユーザーを危険にさらすことになってしまう。

ジュークとレガシィは、国内仕様も早急にフルモデルチェンジすべきだ。ホンダは2017年10月に海外では新型アコードを発売しながら、日本では旧型を売り続け、2020年初頭にフルモデルチェンジするという。

日本のメーカーは、もはやどこの国の企業なのかわからない状態になっている。

渡辺 陽一郎 カーライフ・ジャーナリスト

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わたなべ よういちろう / Yoichiro Watanabe

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまにケガを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人たちの視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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