「エスティマ」「キューブ」生産を終える根本理由

人気の高かった国産車種が次々と消えていく

エスティマ、マークX、キューブ、パジェロの生産終了に加えて、最近はフルモデルチェンジの滞りも生じている。日産は欧州で次期ジュークを発表したが、日本国内では現行型を継続販売するという。

スバルも海外では新型レガシィを売るが、日本国内は従来型の継続販売で、先ごろ小改良も行った。海外市場には新型車が活発に投入されるのに、日本国内で売られる日本車は設計が古い。

高まる海外販売比率

こういった日本を軽視する背景にあるのは、海外販売比率の増加だ。1990年頃までは、日本メーカーの国内/海外の販売比率は各50%程度だったが、2000年頃に海外比率が60%を上回り、2010年頃には80%に達した(国内中心のダイハツを除く)。今では世界生産台数の90%前後を海外で売る日本メーカーもあり、国内市場が冷遇されている。

この傾向は今後さらに強まる。例えばトヨタは2020年5月になると、他メーカーと同じく全店が全車を扱うようになる。隣接するトヨタ店とネッツトヨタ店が同じクルマを売るので、店舗は減らされ、売れ行きが下がることも考えられる。

トヨタは車種を減らす方針も打ち出し、販売系列のために用意されたアルファード&ヴェルファイア、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ルーミー&タンクといった姉妹車も、やがて1車種に統合される。車種の削減はほかのメーカーでも行われるから、日本で購入可能な車種は次第に限られてくる。

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