ついに実現、「かめはめ波」が撃てる新ゲーム 手から光線、プレイヤーがゲームキャラ化

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大学院卒業後はリクルートに就職するが、2013年の半ばから「最先端の技術で何か面白いものを作りたい」と、同じく建築を専攻していた友人の新木CTOとともにさまざまなプロダクトの開発を始めた。透明人間になっていたずらをするゲーム、バーチャルのペット、カードを手元で動かして楽しむゲームなど、どれもARを活用しバーチャルとリアルを融合させたものだった。結局、同年10月にリクルートを退職し、2014年1月にメリープを立ち上げている。

素顔の福田CEO。子供の頃の夢を現実化させた(撮影:尾形文繁)

HADOの構想も多様なプロダクトを開発する中で生まれた。「ウエアラブル端末のセンサーの仕組みを使えば、多くの人がかめはめ波を撃てるのではないか」。周囲にアイデアを話すと、子供だけでなく多くの大人から共感を得られた。投資家向けのプレゼンの反応も上々だった。

「子供の頃にやりたかったことは、みんな忘れていない」。確信を持った福田CEOは2014年7月、HADOの開発に乗り出すことを決めた。

ARで新ジャンルのスポーツを目指す

今年4月以降も、テレビ朝日のイベントなどに参加し、体験会を精力的にこなす考えだ。チーム戦の性質が似ていることから、サバイバルゲームを楽しむ層を中心にアピールしていく。一定のファンを獲得した段階で、オリジナルの技を作ったり、レベルを上げるといった改良を加える。

 マネタイズ(収益化)はゲーム内の課金や専用ヘッドマウントディスプレイの販売が候補になる。ハード開発費用を捻出するため、2015年の年末をメドにクラウドファンディングによる資金調達も視野に入れる。最終目標は、多くのプレイヤーが参加する一大スポーツに育て上げること。賞金付きの大会を開催し、世界各地の予選を勝ち上がったプレイヤーが集結し、多くのファンが観戦する新スポーツを生み出す。これが福田CEOの狙いだ。

一サービスの枠を超える巨大構想だが、当面はプレイヤーの獲得が課題になる。イベントだけでなく、HADOを紹介し、実際に体験できる機会や仕組みを作り、KDDI、テレビ朝日以外の多くの企業と連携する必要があるだろう。はたして「かめはめ波」は事業化できるのか。前代未聞の挑戦は始まったばかりだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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