認知症介護で大変な「トイレの失敗」でのNG行動 「ごめんね」と「ありがとう」の2つがセット

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私は少しでも皆さんの役に立つよう、トイレの介護は本人の立つ力が大事だから、体勢をキープできるよう日頃から歩いてもらってくださいねとか、トイレに頻繁に誘ったり、ソワソワしていないかチェックしてみたりしてくださいねといったアドバイスをした。

介護をするうえで「根源的で大切なこと」

するとそれまで、じっと口を閉ざしていた榎本さんが、ハイと手を挙げた。「あなたが仰っているアドバイスが大事なのはとてもよくわかります。だけどね、私は義母と旦那の二人の介護をしてきて、それよりももっと根源的で大切なことに気づいたの」とこれまでの体験を話し始めた。

どうして私ばかりが、こんな目に遭わなければならないの? と榎本さんは目の前が真っ暗になったそうだ。数年前、突然お義母さんの介護が始まり、榎本さんは一生懸命尽くした。そして昨年、お義母さんは安らかに息を引き取り、そこでホッと一息つけるかと思っていたのだが、なんと今度は旦那さんまでもが認知症になってしまったのだ。その事実が分かったときは本当に落胆したという。

「義母のときは、ただ介護に追われているだけでした。何をすればいいか分からないまま、どんどん症状が進んでしまって……だから義母の介護は、正直大変だったなと感じていました」と、残念そうに語った。

それから、旦那さんの介護をするようになり、お義母さんの二の舞になってはいけないと思った榎本さんは、1度目の介護の様子を振り返ってみた。

「ごめんね、と先に謝ると、義母が落ち着いたんですよ」と、当時気づいたことを教えてくれた。それを旦那さんの介護で実践すると、やはり旦那さんも落ち着くようになり、介護がスムーズにできるようになったそうだ。

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