生涯現役!英国高齢者たちの自由な「恋愛事情」 高齢者は恋愛をしないなんて誰が決めた?
「追ってくるなんて、ストーカーみたい。それでいいの?」そう聞くと、エリザベスは「別に、かまわない」。特に「コンが好きだから」とは言わず、嬉しそうにもしていなかった。「来たいというから、仕方ないわね」。今から思うと、「君は素晴らしい、君のことは大好きだ」と言われることに喜びを感じていたのかもしれない。
93歳のエリザベスを追って引っ越しまでしたコンは、移動から1年後、ガンで亡くなった。エリザベスはその10年後、同じ施設で眠るようにして亡くなった。
夫のいる同級生から連絡
友人のチャールズは50代半ばだ。ある日、かつて大学の同級生同士だったジェーンから電話をもらったという。「いすの脚が壊れちゃった。大工仕事が得意だったわよね。ちょっと来て、見てみてくれない?」大学卒業後も同級生同士数人で時々集まっていたので、突然の電話にも驚かず、チャールズはジェーン宅に向かった。
チャールズは卒業直後に結婚したが離婚し、再婚。電話がかかってきたとき、営業職の妻は出張中だった。ジェーンは夫と死別後、石油会社コンサルタントの男性と知り合い、夫が残した広い邸宅に一緒に住んでいた。
ジェーンの家でいすを直し、同居のボーイフレンドと3人で夕食を共にした。その晩、チャールズはジェーン宅の予備の部屋で眠った。翌朝、チャールズは寝室のドアを軽くノックする音で目覚めた。「おはよう。私よ。お茶を持ってきたの。入ってもいい?」。
イギリスでは毎朝、ミルクを入れた紅茶を飲むのが習慣になっている。夫婦の場合、夫あるいは妻が相手のためにお茶を入れてベッドに持ってくるのも定番だ。
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