生涯現役!英国高齢者たちの自由な「恋愛事情」 高齢者は恋愛をしないなんて誰が決めた?

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チャールズが承諾すると、お茶のカップを乗せたトレイを持って、ジェーンが入ってきた。チャールズはベッド上で体を半分起こし、自分のカップをもらってお茶をすすった。ジェーンも自分のカップからお茶を飲む。しばらく他愛のない会話が続いた。

「ちょっと中に入ってもいいかしら、寒いの」。ジェーンはそう言って、チャールズのベッドに手をかけた。「ダメ」というわけにもいかず、体をずらしてスペースを作ったチャールズ。2人はしばらく黙ってベッドの中にいた。「温かくなったわ」。ジェーンはそう言ってベッドから出て、寝室を後にした。

チャールズは当時を思い出し、こういう。「あの時、ジェーンは何を望んでいたんだろう?」「あなたに触ってもらいたかったんだよ」。筆者はこう返したが、チャールズは納得がいかない様子だった。「彼女のボーイフレンドが家にいるんだよ。何もできるわけないじゃないか。第一、恋愛感情がない」。

この時、筆者は、イギリスでは性的誘惑をかけるには相手や自分にパートナーがいるかどうかも、また年齢も関係ないことを実感したのである。

70代でもアクティブな男女は少なくない

イギリスでも、「高齢者の性」をタブー視する雰囲気があるが、年を取っても性行為を楽しむ人がいるのは事実だ。高齢者支援の慈善組織「Age UK」がマンチェスター大学社会科学研究所に依頼した調査(対象者:50代から90代前半の約7000人、2016年発表)によると、「70代以上の男性の54%、女性の31%が現在も性的行為の経験がある」と答えている。

「Age UK」は、性行為を「人生の重要な一部である」と位置付ける。「健全な性生活は心、血圧、ストレスの低下に良い影響を及ぼす。免疫力を上げる可能性もある」。

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