「ゴリエ・マツケン」人気再燃した"共通パターン" コスプレとダンス、自ら「演じる」文化が背景に
マツケンとゴリエには直接の関係があるわけではない。だがそれだけに、同じタイミングで復活したことには偶然以上のなにかが感じられる。そのあたりをここでは2つの共通点から考えてみたい。
まずひとつは、コスプレである。
松平健と時代劇は、『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系、1978年放送開始)など切っても切り離せない。だがドラマではなく、音楽番組への出演では否応なくコスプレ感が強調される。なんの照れも感じさせない堂々としたパフォーマンスも相まって、キャラクター感が際立つ。
ゴリエの場合、お笑い芸人が扮するキャラクターが人気者になることは珍しくない。同じく歌などのパフォーマンスが注目されるという点では、とんねるずとDJ OZMAがユニットを組んだ「矢島美容室」もあった。そうなるとコント的な文脈からは離れ、キャラクターが独立する。その分、やはりコスプレという印象が強くなる。
一方、近年は世の中全体にもコスプレ文化が広まっている。
エンターテインメントの世界で言えば、俳優が漫画、アニメやゲームのキャラクターに扮する2.5次元の舞台などは関係の深いものだろう。また、メイド喫茶やコンセプトカフェ、コミックマーケット(コミケ)のコスプレーヤーなども広くそうしたエンタメの一種として見ることができる。
コスプレの浸透は、ハロウィンを見るとわかりやすい。ハロウィンが日本に定着するにあたり、コスプレが果たした役割は小さくないだろう。渋谷では2010年代前半頃から思い思いのコスプレをした若者たちが大勢ハロウィンに集まるようになり、いまや風物詩となった。
その際、SNSを通じて動画や写真を共有できるようになったこともコスプレ熱に拍車をかけた。このあたりは、オタク文化とネット文化の親和性を感じさせる。
ダンスは“見るもの”だけでなく“踊るもの”へ
もうひとつの共通点は、ダンスである。
「マツケンサンバⅡ」では、振付も担当した真島茂樹らダンサーがバックで、同じく時代劇風の町人や腰元の扮装をしてサンバ棒を手に軽やかに踊る。マツケンも軽快なステップで、「オレ!」の掛け声も爽快。カーニバル的でもあり、盆踊り的でもある和洋折衷の面白さで見ているほうもクセになり、つい真似てみたくもなる。
ゴリエのほうは、チアダンス。前述の「Mickey」もチアダンスの定番曲で、MVでもチアリーダーたちとともに一糸乱れぬキレキレのダンスが披露されている。
ガレッジセール自身もダンスをベースにしたリズムネタで人気を得た。またゴリはブレイクダンスの名手でもあり、かつてはテレビなどでナインティナイン・岡村隆史とよくダンス対決をしていた。高い身体能力を求められるチアダンスはそんなゴリにうってつけだ。
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