米国の対中半導体輸出規制強化がもたらした衝撃 中国は侮れないが、最先端半導体は「勝負あったか」

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目標達成のため、政府は「国家集積回路産業発展投資基金」(通称「大基金」約2兆7000億円)を開設、政策銀行や地方政府による金融支援や課税優遇措置も大々的に行われ、利益の出ない半導体関連企業にも株式市場における資金調達が許された。全国の半導体関連産業におびただしい資源の投入が行われたが、資金用途の中心は海外からの資材調達やアメリカ、台湾からの人材獲得だ。世界の半導体関連企業は中国需要に沸いた。

しかし、2020年の目標は実現しなかった。14/16ナノチップの量産体制はできず、自給率も2022年末で20%前後だ。理由は、「杜撰な投資と腐敗」と「技術の習得難」にあった。

杜撰な投資と腐敗

大基金の約2割が「産業生態建設」という名目で不動産投資に用いられたことや、発起人の紫光集団への投資(総額約5800億円)が管理不能のため破綻したことなど問題が多発した。裏には背任や癒着があるとされ、昨年7月には紫光集団趙偉国元董事長をはじめ、工業&デジタル部長、大基金総経理などが拘束された。その余波により、大基金の次期募集はまだ詳細が公表されていない。無論、機能した投資もあっただろうが、疑惑付や杜撰な投資があったことは関係者も認める。

「技術」の習得難

半導体産業の特徴の1つは生産工程が複雑でサプライチェーンが非常に長いことにある。それぞれの工程における技術集積度が高いため、市場が大きい割には分野ごとの寡占状態が進んでいる。

例えば、先端メモリーは韓国企業2社が44%、先端プロセッサーは台湾のTSMCが92%、製造装置ではオランダのASML、米アプライドマテリアライズ、東京エレクトロンなど5社が独占、ハイエンドの半導体設計ソフトはアメリカがほぼ握っている。

また、これら寡占企業もコア技術は核心分野に限られ、多くは他社の技術に頼っている。従い中国企業が資金だけで競争に食い込むことは難しく、それを短期間で成し遂げようとした点にそもそも無理があった。

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