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オンワード、「中流の上」狙いが苦戦のワケ 経産省出身の40代新社長が放つ打開策とは?

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「23区」はオンワードの主力ブランドとして2015年2月期は268億円を売り上げた(撮影:今井康一)

手応えも感じている。銀座の直営路面店「23区GINZA」では、外国人の来店が増加。今年2月には中国の春節休暇もあり、訪日外国人の購買割合が5割を突破した。

「一般の中国人消費者にとって、日本のアパレルメーカーの商品は高級ブランドとしての位置付けで憧れの対象」(百貨店関係者)だ。今後、アジア新興国の1人当たり所得水準が上昇してくると、「ハイエンド&モデレート」に手が届くようになり、成熟したと思われた市場が再び拡大する可能性を秘める。

ただ、それまでの過渡期をどう乗り切るか。2年後の2017年4月には消費増税が10%に引き上げられることはほぼ確実。資産家ではなく、給与所得者を想定顧客とするオンワードにとって、増税により実質所得が減少すれば2015年2月期と同様に業績に悪影響が及ぶだろう。

IT出身の新社長の舵取りに注目

こうした厳しい状況下、今年3月1日、オンワードホールディングス社長に、取締役だった保元道宣氏が昇格。会長と社長を兼務していた廣内氏は代表取締役会長となった。

新社長の保元氏は、通商産業省(現:経済産業省)出身。IT業界などを経て、2006年にオンワードに入社した異色の経歴の持ち主だ。1965年生まれの49歳と、72歳の廣内会長より2回りも若い。

保元氏はIT業界での知見を生かし、eコマースなど新規事業を推進してきた。前期は25年ぶりに情報システムを大幅刷新。倉庫や店舗ごとに、どの商品がどの程度在庫があるのかリアルタイムで把握できるようにした。またそうした情報を店舗の販売員がタブレット端末で知ることができるようして、欠品などの機会ロスの減少にもつなげる。500万人分の顧客基盤についてもデータベース化を進め、商品開発に結びつけていく構えだ。

こうした施策はすぐに目に見える効果を生むことはないが、保元社長は「2年後の再度の消費増税を乗り切るまでは、脇を固め、種まきをする時期」と慎重だ。廣内会長は「当社は実力主義。保元社長は入社してまだ9年だが、成長戦略に不可欠なeコマースで実績を上げた」と社長に選んだ理由を語った。

保元新社長は1年後の2016年春に中期経営計画を策定し、中長期的な成長戦略を発表する予定。ステークホルダーを納得させられる絵図を描くことができるか、注目される。

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