ペットボトルに平気でごみを入れ捨てる人の盲点 タバコや注射針もリサイクルの現場で見た光景

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また、先述のとおりフレークを作るためには、前処理としてのラベル剥がしや、比重分離においてCO2が排出される。エコの観点や資源節約の観点からすれば、これらの作業を減少させていくほうがいい。

この点について私たちが普段の生活でできることは、①ペットボトルの飲料は残さず、②キャップを外し、③ラベルを剥がし、④可能なら少し洗い、⑤かさばらぬよう少し潰す、といった手順の実践である。

外出先でペットボトル飲料を飲んだ後、外したキャップとラベルを排出する場所がない場合は、自動販売機横のリサイクルボックスにペットボトルとともに一緒にそれらを排出すればいい。ラベルをペットボトルの中に入れて排出するのはNGだ。そのペットボトルは再度ペットボトルには生まれ変われなくなる。

駅にリサイクルステーション

現在、サントリー社では、「ボトルtoボトル 水平リサイクル」の推進のため、鉄道利用時に排出されたペットボトルを駅構内で回収しようとJR東日本グループと協働し、東京駅、大崎駅、川崎駅にリサイクルステーションを設置して回収を行っている。

東京駅丸の内地下中央口に設置されたリサイクルステーション(筆者撮影)

5つあるそれぞれの投入口は異物が捨てられにくいように、下向きに作られている。ペットボトル投入口には、キャップとラベルを外すように指示されており、これは飲み残したまま投入しにくくなるという意図からである。

キャップとラベルをプラスチックに入れるように指示されている。投入口は飲み残し対策が施されている(筆者撮影)

限りある資源を有効に使うためにも、多少の手間はかかるが、私たちにできることを地道に実践していくことが期待される。そしてそのような排出方法が社会全体の慣習となり、資源循環がよりいっそう推進されていくようになってほしく思う。

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藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部准教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

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