フジテレビが27時間テレビをここで復活させる訳 テレビ局が仕掛ける「生放送の長時間番組」の裏側
それならばなぜフジテレビは「27時間テレビ」を復活させたのだろか。
キーワードは「求心力」ではないかと私は思う。
フジテレビというテレビ局が、かつての勢いを取り戻すために、社員全体が「一丸となる」シンボルとしての「27時間テレビ」である。
そもそも「27時間テレビ」は、日本テレビの「24時間テレビ 愛は地球を救う」へのパロディー的な番組としてスタートした。
日本テレビ出身者から見てもカッコよかった
「24時間テレビ」が掲げるチャリティーなどの“大義名分”などは掲げず、ひたすらに面白さを追求し続ける姿勢は、当時日本テレビにいた私の目にも、「潔く、カッコいい」ものに映った。
まさしくフジテレビの派手な「夏祭り」であり、「なぜ? 27時間もバラエティー?」などという視聴者の初歩的なギモンを吹き飛ばす勢いがあったのだ。
もちろん「27時間テレビ」が放送される週は、朝から晩まで「27時間」の宣伝である。当時のフジテレビ社員は、正直「めんどうくさい」などと思いつつ高揚感は感じていたはずである。
日本テレビには、夏に「24時間テレビ」、年始には「箱根駅伝」という2つの大型生放送番組がある。
日テレの人間は、この2つは「かならず、ある」ものとしてその時期になれば番組制作スタッフだけでなく、編成、営業、技術、広報、総務など多くの社員が関わっている。
1つの番組を成功に導くために、社内の各部署が連携し、問題点を共有して解決する。制作チームを中心に、多くの社員とスタッフが半年以上に及ぶ準備期間を経て、生放送の当日を迎えるのだ。
外部からの毀誉褒貶もある「24時間テレビ」だが(その内容に関しては今回は触れない)、日本テレビ社内での「求心力」という意味では巨大なパワーを有しているのである。
さらに「24時間テレビ」には、大きな「24時間テレビ効果」も存在している。
それは『制作手法・演出技法の共有』という機能である。
「24時間テレビ」では、毎回「総合演出」は違う人間が務めている(2回3回と担当することもあるが)。
たいていはその年に番組を「当てている」演出家、ヒットメーカーである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら