「ロシア軍に包囲された街」バフムート緊迫の行方 日本人写真家が見たウクライナ最前線の今

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集合住宅に囲まれた中庭で、筆者も所属している人道支援団体、マリウポリ聖職者大隊のメンバーが食材などの配布を始めた。ロシア軍の陣地はここから3キロほどのところにある。散発的に飛んでくるミサイルから身を守るため、住民の多くは地下室で避難生活を送っていた。

バフムート西部にある集合住宅で水の配給を受ける住民。 1月13日(写真:筆者撮影)

毛皮の帽子をかぶった女性がやってきた。大隊メンバーのサッシャから水が入ったペットボトルを受け取ると、涙ぐんでこう話した。

「本当に助かります。ありがとう」

ロシア軍の砲撃で自宅を破壊されたコリャ・ウガレフさんの寝室。 1月13日(写真:筆者撮影)

女性が暮らす集合住宅の壁には砲撃で焼けこげた跡がある。砲撃を受けたばかりだという2階の住民、コリャ・ウガレフ(36)に部屋を案内してもらうと、キッチンにも寝室にも壊れた窓の破片が散らばっていた。

戦闘に巻きこまれ、路上に倒れた知人を助けに行くこともできないような激戦が続くバフムート。この1年で150人ほどの住民が命を落としている。

2月に入り、住民の救出活動をしていたアメリカ人ボランティアが砲撃を受け亡くなった。西隣の村、チャシフヤールにも砲撃があった。南西方向にある街、コスティアンティニフカに向かう道も、わずか250メートルのところにまでロシア兵が迫ったという情報が入った。大隊は、今もバフムートに残る住民約2000人に支援物資を届けることすらできなくなっている。

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