「ロッテリア」ゼンショー傘下入りを巡る台所事情 マクドナルド、モスに及ばず収益は苦戦していた

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ロッテリア銀座クリスタルビル店
ロッテリア銀座クリスタルビル店(写真:ロッテリア公式サイト)

ゼンショーホールディングスが2月16日、国内ハンバーガーチェーン3位のロッテリア(本社・東京都新宿区)を買収すると発表した。完全子会社のゼンショーファストホールディングスが、ロッテホールディングスの保有するロッテリアの全株式を2023年4月に取得する。買収金額は公表していない。

ゼンショーは言わずと知れた大手外食チェーンだ。牛丼チェーンの「すき家」を筆頭にファミリーレストランの「ココス」のほか、「なか卯」「はま寿司」「ジョリーパスタ」など外食の有名チェーンを数多く有する。一方、これまでハンバーガーチェーンはグループに保有しておらず、ここにロッテリアが加わる。

飲食店チェーンの合併は大きな効果をもたらす。たとえば高騰する食材調達でも、グループでの購入量がまとまれば対取引先に強い交渉力を持つ。またグループ会社共同での配送によって効率化が見込まれる。

ロッテリアは日本全国に358店を展開

実際にゼンショーはロッテリアの買収を発表したニュースリリースで「ロッテリアは質の高い商品とサービスを提供する日本有数のファストフードチェーンストアですが、当社グループの食材調達、物流、店舗運営機能などとのシナジー効果が、今後のロッテリアの事業拡大や発展に寄与するものと判断し、本件株式取得を決定いたしました」と説明している

一方、ロッテホールディングス側のニュースリリースでは「ゼンショーホールディングスは現在、売上高は6585億円(2022年3月期)であり、日本の外食企業でNo.1の地位を確立しています」と記し、譲渡先として最善と考えているようだ。

ロッテリアは1972年に東京・日本橋に1号店を出店し、現在は全国に358店舗(2023年1月時点)を展開する。中長期的にはわからないものの、株式取得後もしばらくはロッテリアブランドが継続される見込みだ。

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