トルコ地震「高級耐震マンション」が崩壊したなぜ 旧建築基準の耐震性にも劣る欠陥建築

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トルコ南東部を襲った地震とその余震は、耐震基準を守っている建物でも倒壊するほどの強さだった。それでも、その被害範囲の大きさに加え、建物の新しさと倒壊状況に一貫性がみられないことから、この国の建築規制と、耐震基準に対する開発業者の順守状況に厳しい目が向けられるようになっている。

アスールのビル倒壊の様子を撮影した動画をトルコの建物や建築慣行に詳しい3人のエンジニアに個別に分析してもらったところ、十中八九、構造設計の不備によるものだという結論になった。

倒壊したアスール団地の住宅棟の開発者イフサン・チェリクは、建築は最新の規制を順守して、鉄筋で補強された最高品質のコンクリートを使用して行われたと話した。チェリクは、設計上のミスが原因で最下階が崩壊した可能性を認めたものの、まだ調査中のためこれ以上話すことはできないと述べた。

「第一級の品質」の実態

多数の命が失われ、何百万という人々が家や仕事を失ったことに対し、トルコ全土で怒りの声が高まっている。トルコ当局は10人以上の建築請負業者を建築規制違反の疑いで拘束、逮捕した。国外に逃亡しようとして捕まった開発業者もいる。法務省は地方当局に対し、「地震犯罪」を捜査する特別部隊の設置を命じた。

チェリクと彼の会社イシャク・インサートは、今回の摘発対象には含まれていない。

「よい法案がつくられても、実行されない。これが最大の問題だ」と、トルコ技術者建築家会議所連合イスタンブール支部長のペリン・ピナル・ギリトリオグルは話す。

トルコでは1999年に北西部の都市イズミットが大地震に見舞われ、1万7000人以上が死亡、およそ2万棟の建物が被害を受けた。以来、断層地帯の建造物が地震の衝撃を吸収できるような構造で建てられるように、新たな規制が導入され、更新されてきた。

それでも、手ぬるい取り締まりやお粗末な建築施工は後を絶たず、基準を満たさない材料や効果の薄い検査手続きへの懸念がつきまとってきた。この問題は政府が支援する最近の建築ブームによって一段と悪化した。都市のスカイラインを生まれ変わらせてきた大規模な住居用ビルの建築プロジェクトは、性急に進められ、しっかりとした品質管理が行われていないことが多い。

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