トルコ地震「高級耐震マンション」が崩壊したなぜ 旧建築基準の耐震性にも劣る欠陥建築

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トルコ・シリア地震では建物の倒壊により、多くの犠牲者が出ている(Sergey Ponomarev/The New York Times)

トルコの都市マラティヤに3年前に建設された高級住宅団地アスールのシャンデリアや大理石の床でいっぱいの建物は、最新の耐震基準に沿った最高の材料で建てられているため、地震が起こっても安全だと約束していた。ここに住む中流階級の住民たちは、そうした耐震性の安全を買うために余計にお金を払っていたわけだ。

ところが、2月6日に起きたマグニチュード7.8の地震の強い余震がこの地域を襲うと、同団地内にある2棟のビルのうちの1棟が倒壊、鉄筋コンクリートが土煙を上げて地面に崩れ落ちた。

今回の地震では、これと同様のパターンがほかの地域でも見られた。厳格な新しい耐震基準で建てられた建物の一部が倒壊する一方で、その近くで崩れずに残ったものには、旧耐震基準で建てられた古い建物も含まれていた。

裏切られた入居者

「大理石のバスルームや美しい照明器具に惹かれてこのマンションを選んだわけではない」。夫と2人の子どもと一緒に、この団地のブロックAに住むミネ・ゴゼ(42)は「地震リスクの高い地域だということはわかっていたので、相場の倍の家賃を払ってでも安全な建物に住みたかった」のだと話す。

被害状況の確認と飼い猫の救出のためにマンションに戻っていたゴゼの夫は、建物が崩れる寸前に外に出たため難を逃れた。ほとんどの住民は、最初の地震の後、避難を済ませていた。

「間一髪だった。多くの人が死んでいてもおかしくなかった」と、ゴゼは言う。「私たちは答えを求めている。団地の別の建物は無事だったのに、なぜ私たちの建物は崩れたのか」。

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