韓国訪日ブーム復活の行き先「小樽」に何があるか 小樽人気のきっかけは1995年制作の日本映画

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では、最近の韓国人客は日本のどんな観光地を訪れているのだろうか。JNTOの都道府県別の延べ宿泊者数(2022年11月)は、ビジネスなど観光客以外の宿泊者も含まれるが、おおよその傾向がうかがえる。上位は、①東京都(16万7070人)②大阪府(15万4240人)③福岡県(7万6410人)④京都府(4万3360人)⑤北海道(3万2580人)だった。

ちなみに2019年の観光・レジャー客の都道府県訪問率上位は、①大阪府②福岡県③京都府④東京都⑤千葉県⑥北海道⑦大分県だったから、ほぼ同じ傾向だ。東京都の宿泊者数が多いのはビジネス関連が多いからと思われる。

韓国人旅行客向けの商品・サービスなどを提供しているハナツアージャパンに最近の旅行スタイルや訪問先の傾向を聞いてみた。

「コロナ前はツアーの割合が大きかったのですが、現在はツアーと個人が半々といったところです。最近の観光訪問先で人気となっているのは大阪と北海道ですね。グルメを楽しんだり、ホテルや旅館でゆっくり過ごすなどヒーリングを求めているお客さまが多いですね」(IR担当者)

一方、韓国のショッピングサイトを見ると、「日本旅行専用館」というコーナーで「食べ物ー大阪」「温泉旅行ー福岡」「冬の感性ー札幌」など旅行先のコンセプトにあわせた地域別人気商品を推奨している。別の旅行関連サイトには「福岡2泊3日、51万9000ウォン~」「札幌3泊4日、64万9000ウォン~」などといった商品がアップされていた。

北海道観光「「セミパッケージ」が快適

高い集客力を誇るUSJや多彩なグルメ文化の大阪や、ソウルから1時間半で温泉地にも近い福岡が韓国旅行客の人気が高いことは容易に想像がつく。では仁川ー新千歳が3時間超と、福岡の2倍も時間がかかる北海道が人気上位に食い込んでいる理由はどこにあるのだろうか。

北海道を旅行した韓国人旅行客のツイッターやブログ記事などSNSをチェックしてみると、これがなかなか面白い。ある男性は2月11日に閉幕した札幌の雪まつりの模様をライブ中継していた。別の旅行客は北海道の地図にルートを示しながら、①札幌②美瑛③登別④函館⑤小樽という5泊6日の日程を紹介していた。

その中で

「北海道旅行は主要観光スポットの移動距離が少し長いので私はミニバンで行きます」

「観光は自由に進むセミパッケージをご利用のほうがはるかに快適です」

と、アドバイスを添えている。

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