大阪オートメッセ、東京オートサロンと違う魅力 関西を中心にクルマ好きが集まる祭典の面白さ

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「オートメッセ大阪には、関西にとどまらず、中京、四国、フェリーで会場近くの南港まで来られるようになった九州、さらにアジアからも多くの来場者が来てくれるんです」

田邉社長は、多くのユーザーの声を聞くのがビジネスには重要、という。

実際、商取引も多いようだし、大阪オートメッセじたいも、東南アジアの国々への出張開催が打診されているとか。アジアの若い市場では、クルマのビジネスが膨張中なのだそうだ。

同時に「いまの懸念はーー」と田邉社長は口にする。

「製品づくりの技術革新を急がなくてはいけないことです。自動車業界では、CO₂の排出量が多い従来の製法(温間製法や熱間製法)をやめる方向に急速に舵を切っています」

カーボンニュートラルをめざす業界で生き残っていくためには、パーツメーカーも、常温で金属加工する冷間製法を採用していかなくてはならない。

「さらに、バッテリー搭載で重量が重いEVの市場に向けて、軽量化のためのパーツも求められてくると思います」

田邉社長は「やることがいっぱいあります」と、困ったような、それでいて、どこか楽しそうな顔で語ってくれた。これが、モノづくりに誇りをもつ大阪人の姿なのだなあと私は思った。

BMW車のチューニングを手がける独「マンハート」による635psの「MH4 600」も出展(写真:筆者)
キャンプ関係の展示も多く、人を集めていた(写真:大阪オートメッセ)

来場者、出展社数が“回復”

ウィズコロナのムードも浸透してきたことも手伝って2023年の「大阪オートメッセ」は、3日間で来場者総数が20万5000人強。2022年は約7万4000人だったから、3倍ちかくにまで“回復”した。

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出展社は、2022年の143社から260社に、展示車両は328台から560台に。

「大阪の業界も“舞い上がって”ほしいですわ」

出展者のひとりが、ドラマ「舞いあがれ!」をもじってそう語ってくれた。2023年前半放映のNHK連続テレビ小説の舞台(のひとつ)は、東大阪の鋲螺(びょうら=ネジ)工場。

大阪のモノづくりは、実際に頑張っている。大阪オートメッセの面白さは、そのリアルが体験できるところなのだ。

小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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