大阪オートメッセ、東京オートサロンと違う魅力 関西を中心にクルマ好きが集まる祭典の面白さ
「オートメッセ大阪には、関西にとどまらず、中京、四国、フェリーで会場近くの南港まで来られるようになった九州、さらにアジアからも多くの来場者が来てくれるんです」
田邉社長は、多くのユーザーの声を聞くのがビジネスには重要、という。
実際、商取引も多いようだし、大阪オートメッセじたいも、東南アジアの国々への出張開催が打診されているとか。アジアの若い市場では、クルマのビジネスが膨張中なのだそうだ。
同時に「いまの懸念はーー」と田邉社長は口にする。
「製品づくりの技術革新を急がなくてはいけないことです。自動車業界では、CO₂の排出量が多い従来の製法(温間製法や熱間製法)をやめる方向に急速に舵を切っています」
カーボンニュートラルをめざす業界で生き残っていくためには、パーツメーカーも、常温で金属加工する冷間製法を採用していかなくてはならない。
「さらに、バッテリー搭載で重量が重いEVの市場に向けて、軽量化のためのパーツも求められてくると思います」
田邉社長は「やることがいっぱいあります」と、困ったような、それでいて、どこか楽しそうな顔で語ってくれた。これが、モノづくりに誇りをもつ大阪人の姿なのだなあと私は思った。
来場者、出展社数が“回復”
ウィズコロナのムードも浸透してきたことも手伝って2023年の「大阪オートメッセ」は、3日間で来場者総数が20万5000人強。2022年は約7万4000人だったから、3倍ちかくにまで“回復”した。
出展社は、2022年の143社から260社に、展示車両は328台から560台に。
「大阪の業界も“舞い上がって”ほしいですわ」
出展者のひとりが、ドラマ「舞いあがれ!」をもじってそう語ってくれた。2023年前半放映のNHK連続テレビ小説の舞台(のひとつ)は、東大阪の鋲螺(びょうら=ネジ)工場。
大阪のモノづくりは、実際に頑張っている。大阪オートメッセの面白さは、そのリアルが体験できるところなのだ。
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