大阪オートメッセ、東京オートサロンと違う魅力 関西を中心にクルマ好きが集まる祭典の面白さ
「うちの特徴は、お客さんひとりひとりの体型にぴったり合うように調整すること。なかには50回、ショールームにやって来て、少しずつ自分の好みに調整していったお客さんもいます」
牧原道夫代表取締役は言う。小柄な女性がレカロシートを欲しいと言ってきたときは、座面をばっさり切断して腿の長さと合うよう調整したこともあるそうだ。
上記のようなきめの細かい対応を知っている来場者がブースを訪れて、説明のために控えている社員と話しこむ。イベントというか、大きなショールームのような光景だった。
ロードホイールがいたるところに飾られているのも、自分のクルマをいじりたい、少しでもスタイリッシュにしたい、というカスタム志向の顧客へのアピール度が高いことの証明といえる。
とくに「モノづくりのまち」を謳う東大阪市は、「わが国でも有数の中小モノづくり企業の集積地」(同市のホームページ)だけあって、自動車関連の金属加工業がさかんな地域。
ENKEI(エンケイ)、RAYS(レイズ)、WORK(ワーク)といった企業が、1960年代から70年代にかけて創業。
アルミホイールやマフラーなど、いわゆるアフターパーツを手がけて業績を上げてきた。
カッコいいことに価値を置くお客のために
今回のオートメッセは、2023年で設立50周年となるJAWA(ジャパンライトアロイホイールアソシエイション)に登録する各メーカーが、往年のヒット商品と最新の製品を並べて展示。
そこも人気で、「これ知ってるか……(関西弁で)」など、同行している女性に製品の詳細を得々と語る20代の男性も。想像以上にアフターパーツ市場はふところが深いのだなと思わせられた。
「大阪は、カッコいいことに価値を置く“やんちゃくれ”が多いところ。クルマも自分の価値観でカッコよくしたい、という気持ちがアフターパーツ産業を支えてきたと思います」
そう分析してくれたのは、箕面市に本社を置くタナベの田邉一徳社長だ。
「SSR」ブランドのアルミホイールをはじめ、モータースポーツユーザーのためのサスペンションスプリングやマフラーを手がけていて、人気が高い。
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