激震!K-POP界で突然「大再編」起こり始めた事情 BTS抱えるHYBEが老舗SMエンタに急接近のワケ
SMエンタの創業者、イ・スマン氏(70歳)は、韓国を体表するシンガーソンライターだった。数多くのテレビ番組の司会や、ラジオ番組のパーソナリティーを務め人気を博した。同氏は、韓国の名門ソウル大学出身でアメリカの名門カリフォルニア州立大学ノースリッジ校のコンピューター工学修士を持ち、「賢いアーティスト」としても人気を集めた。
こうした経験を生かし、1995年にSMエンタを設立。東方神起、少女時代、そして日本でK-POP市場を切り開いたBoAなどの所属アーティストを抱え、K-POPの「生みの親」とも言える企業である。
事業拡大に躍起なHYBE
一方、HYBEのパン・シヒョク氏(50歳)もアーティスト出身の創業者で、数々の名曲を生み出した作曲家で音楽プロデューサーである。同氏も名門ソウル大学出身で、パン・シヒョク氏とイ・スマン氏はともに尊敬し合う関係と言われている。
同氏は22005年にビッグヒット・エンターテインメントを設立。同社は新興企業だったにもかかわらず、2013年にデビューしたBTSの世界的な活躍によってSMエンタを含めた「韓国エンタメ3大事務所」を売上高、時価総額で一気に抜き去り、「一強」とも言われる地位に上り詰めている。現在ビッグヒットなどを傘下に置くHYBEには、Tomorrow X Togetherや、NewJeans、LE SSERAFIMなどが所属している。
HYBEはこれまでも国内外の有望な音楽関連企業を積極的に買収し、事業拡大に図ってきた。今回はついに競合買収に乗り出したわけだが、「音楽を中心としたクローバルエンタメ大手企業を創る」という目標を掲げているHYBEにとって、SMエンタのコンテンツやネットワークは魅力的であることは間違いない。
後発企業であるHYBEがSMエンタの経営権を確保すれば、同社が30年間作ってきたK-POPコンテンツを手に入れることができる。HYBEはK-POPの歴史、そのものを独占できるわけだ。
一方、SMエンタには別の事情がある。実は創業者であるイ・スマン氏は、2010年SMエンタのすべてのポストを退いている。約18%の同社株を所有したまま退社し、新たな音楽プロデュース企業「ライク企画」を設立した。
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