激震!K-POP界で突然「大再編」起こり始めた事情 BTS抱えるHYBEが老舗SMエンタに急接近のワケ

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しかし、退社後もイ・スマン氏はSMエンタに強い影響力を持ち続け、同氏はこうした影響力を生かし、SMエンタと「プロデュース契約」を結び、営業利益に応じたプロデュース料という名目の分配金を受け取り続けた。

関係者によるとSMエンタはライク企画に7年間で約1500億ウォン(約150億円)の分配金を払ったという。SMエンタが800億ウォンの赤字となった2020年にも129億ウォンが支払われ、この金額に疑問の声が上がっていた。この契約はSMエンタのキャッシュフローに悪影響を与え、株式の配当が困難な状態が続いたと分析するアナリストもいる。

巨大企業の参戦で構図が変わる

こうした問題を受け、昨年にはSMエンタの構造改革を求める少額株主による運動が勃発、SMエンタの経営陣に対して取締役会の構成や、イ・スマン氏が独占しているプロデュース契約の見直しを求めた。

現在、SMエンタは40代男性2人が共同代表を務めている。同社の経営陣はこれら少額株主の要求の一部を受け入れ、昨年末をもってイ・スマン氏との契約を解除。しかし、SMエンタとイ・スマン氏との間で契約解除後もさまざまな名目で2092年まで毎年数十億ウォンを受け取る契約が結ばれていたことが暴露され、批判の声が上がった。こうした一連の出来事は、SMエンタと筆頭株主のイ・スマン氏との対立が深まる前兆であった。

2月に入ると、わずか1週間で事態は急展開を見せる。

SMエンタの経営陣は、3日、少額株主らと12項目の改革案に合意し、「SM3.0」という改革案を発表した。事実上、イ・スマン氏との決別を宣言するものである。さらに、SMエンタはイ・スマン氏に対する攻勢を強めた。

同社は7日、ネット大手のカカオと「戦略的なパートナーシップ」を結び、カカオを引受先とする第三者割当増資と転換社債を発行し、カカオが9.05%のSMエンタの株を確保する計画を打ち出した。増資となれば、イ・スマン氏の持ち分の割合の低下は避けられない。

こうした動きに対して、今度はイ・スマン氏が反発。同氏の側近は韓国メディアとのインタビューで、現在SMエンタの共同代表を務めている2人の再任に反対する意向を示した。さらに、イ・スマン氏は第三者割当増資と転換社債発行に対する仮処分申し立てを行い、SMエンタとカカオ連合の動きを牽制した。SMエンタの経営をめぐる紛争は、SM・カカオ連合とSMの創業者で筆頭株主、イ・スマン氏との戦いに見えた。

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