「すぐ辞める若者」が見落としている残念な現実 新人は「コモディティ」ということを自覚すべき

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かつての日本企業には、コモディティのまましばらく勉強させ、その中から会社を支える人間を育て、選ぶだけの度量がありました。私が勤めていたころの日産自動車も、まだまだ体力的には余裕がありました。私も幸運なことにアメリカのビジネススクールに送ってもらえました。

一部の新興企業には、大量採用を行って、コモディティ人材のままコモディティの仕事だけをさせ、不必要になったら辞めてもらうという考え方のところがあります。

だからといってすぐに仕事を投げ出してしまうと、「第二新卒」という名の、新卒学生よりも単にいくつか年齢を重ねただけの存在になってしまいます。ただでさえコモディティなのに、さらに価値が下がるということです。

ブランド化された人になれるかどうかは努力次第

「フリーの道もある」という人もいますが、何の実績も信用もない若者に、誰が仕事を発注するでしょうか。せっかく苦労して会社に入ったのだったら、1つでも2つでも職務経歴書に書ける実績やストーリーができるまで、頑張ってみるべきです。人に誇れる実績を上げることができれば、会社もコモディティとは見なくなり、よりチャレンジングな仕事を与えられるはずです。

それでも会社が応えてくれないのなら、そのときに初めて転職を考えればいいのです。実績をしっかり上げていれば、転職活動をする前にライバル企業やお得意先から声がかかるかもしれません。

勲章がついている人(ブランド化された人)になれるかどうかは、シェーバーによく似ています。何万円もする電気シェーバーも、1本数十円の使い切りT字シェーバーも、ひげを剃るという機能は変わりません。しかし前者は大切にメンテナンスされ、充電もしてもらえ、何度も繰り返し使い続けられる。中にはひげを剃るたびに自らの刃を磨くシェーバーもあり、長く重宝されます。それに対し、T字シェーバーは使い切りです。コモディティは、努力をしなければ、いつまでもコモディティなのです。

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