リーダーとは自分から先にケツを出すことだ 「ジヌよさらば」の松尾スズキ監督に聞く

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©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば~かむろば村へ~』製作委員会

――大人計画は昔から人気劇団だったわけですが、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」以降は、その人気がお茶の間レベルにまで広がったように思います。そういう現状をどうとらえていますか?

どうなんですかね。ただ、舞台や映画なんかにうちの俳優をキャスティングしやすくなったということはあります。

やはり今は基準がテレビなんですよね。特に田舎の方に行くとお芝居はほとんど観てもらえない。そうするとこの人はテレビで見たことがあるとか、知っているということが判断基準になってしまう。テレビに全然出ていなくても、すごいヤツらはいっぱいいるんだぞとは思うんですけどね。それはちょっと歯がゆい面もあります。

ただ、僕たちも20年以上かかっているわけですからね。長い道のりだったなと思いますよ。続けてよかったなというのはすごくありますね。

映画で「大人計画」がしたかった

――今回の映画には大人計画の俳優が多く出演していましたが。

実はこの映画の裏テーマとして、映画で大人計画をやろうというのがあったんですよ。

大人計画にいないタイプのキャストは仕方がないですが、大人計画でまかなえるところは全部まかなう形にしました。

だから、大人計画が好きな人にはすごくマッチした映画だと思うし、芝居を観たことがない人には大人計画の舞台ってこういう感じなんだなと思ってもらえたらと思っています。

――やりたいことを犠牲にしてでも仕事の規模を大きくしたいと思う一方、自分のやりたいことを貫きたいという気持ちもあると思います。そのあたりのバランスはどう考えていますか?

もう僕だけの大人計画ではないですからね。みんな家庭を持っていますから、座長のエゴでマニアックなことをやろうということはできなくなってきている。その辺はちょっとアンバランスなところではあるんですけどね。今、マニアックなことをやろうとしても、ツイッターとかですぐに拡散されてしまうし。難しい時代になってきていますね。

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