ソフトバンクG孫社長、個人の評価損は約6700億円 ファンド事業への自身の関与を明確にしたのが仇に
ファンド事業の損失が縮小傾向にある中でも、ソフトバンクグループの孫正義社長の個人的な評価損が高止まりしている。孫氏個人が出資するビジョン・ファンド(SVF)2号などにおける「未決済残高」の合計は、昨年12月末時点で約6700億円だった。ソフトバンクGが7日に開示した決算短信からブルームバーグが集計した。
昨年12月末時点の孫社長個人の未決済残高は2号ファンドで3798億円と9月末からは減少したが、ラテンアメリカ・ファンドでは456億円に増加した。上場株投資運用子会社のSBノーススターにおける累積損失も2461億円と悪化。9月末時点の合計額は約6800億円だった。
孫社長はファンド事業への自身の関与を明確にし、リスクとリターンを共有するため、2号ファンドの株式を17.25%、株式やデリバティブ取引を行うSBノーススターの株式を33%保有している。世界的に金利が上昇するなど株式市場の投資環境が悪化し、出資先企業の公正価値が下落した中で引き続き高水準の評価損が発生した格好だ。
ソフトバンクGが7日に発表した2022年10月ー12月(第3四半期)決算は、SVF1号、2号、ラテンアメリカファンド事業のセグメント損益が6601億円の赤字となった。前年同期は504億円の黒字。ただ、1兆199億円の赤字を計上した第2四半期からは損失額が縮小している。
孫社長は7日に東京本社で行われた決算説明会には出席せず、会場の記者席は半分以上が空席だった。後藤芳光最高財務責任者(CFO)は、12月末時点でソフトバンクGの出資先344社で企業価値が減少し、増加したのは100社にとどまったことを明らかにしていた。
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著者:日向貴彦、Min Jeong Lee
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