都市部で園庭のない保育園増の無視できない問題 千代田・中央・文京・港は園庭がある園は2割未満
国は園庭を持たなくても保育園の開設を認めている
現在、国は園庭を持たなくても保育園の開設を認めている。そのため、都市部で新設される園は、園庭の無い園も多い。保育園を考える親の会の「100都市保育力充実度チェック」によると、2017年度の園庭保有率は100市区平均で76.6%だったが、22年度は69.8%に。東京23区平均では53.6%から39.8%へと大幅に低下した。千代田区、中央区、文京区、港区は園庭がある園は2割に満たない。
「園庭がないことで隣の敷地と建物が近くなり、窓を開ければすぐ隣の家、という状況を生んでしまいました。そうなると窓は開けにくくなる。園庭はいろんな意味でバッファーになっていたはずなんです。子どもが遊ぶだけの役割に留まらず、音も日当たりも風通しにも影響を与えます」(「こどものための音環境デザイン」代表理事の船場ひさおさん)
園庭がない場合、近隣の公園などで外遊びをさせるしかなくなる。同じような園がいくつもある地域では、小さな公園に何十人もの園児がひしめく状況も生まれている。そんななか、新たに認可保育所を開設する際に、なるべく園庭を設けることを条件に増園を進めてきたのが東京都三鷹市だ。