当初、中国共産党は2023年夏時点での政策転換を考えていたらしい。冬よりも夏のほうが、感染を抑え込みやすいから、それ自体は自然な発想である。
しかし昨年秋時点で感染拡大が止まらなかったこと、「白紙デモ」で国民の反発が高まっていたなどから、「だったら一度にやってしまおう」「苦しむ時期は短いほうがいい」「その代わり、2023年は一気に経済活動を軌道に乗せよう」と考えたらしい。
「中国経済上振れ」なら日本経済には「追い風」に
そうだとすれば、今年の中国経済は「ダウンサイド」よりも「アップサイド」のリスクを見込んでおくべきだろう。つまり、景気が上振れする確率のほうが高いのではないか。それもまた、今年の日本経済にとっては「追い風」ということになる。端的に言えば、年後半にはまたまた数百万人単位で、中国人観光客が押し寄せてくるかもしれないということだ。
最後にIMFの世界経済見通しにおいて、今年の日本経済は1.8%成長ということになっている。これは先進国の中ではもっとも高い数値である。新春経済講演会において、筆者はいつもこんなふうに説明している。
「今年の日本経済は『小吉』のおみくじみたいなものです」
おみくじを引いて、「小吉」で大喜びする人はあんまりいないだろう。とはいえ、今年の「小吉」にはそれなりの有り難みがあると言えるのではないだろうか(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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