「小児科と耳鼻科」どちらに連れて行くのが正解? 開業医が明かすクリニック同士の関係のリアル

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風邪を引いた子どもを病院へ連れていきたいけれど、小児科か耳鼻科で迷ってしまう親は多いといいます(写真:mits/PIXTA)
まさかの持病(脳動脈瘤)が判明、大学病院を辞めて開業するしかなくなった顛末が綴られた新刊『患者が知らない開業医の本音』。松永正訓医師は、それまで無縁だったさまざまな現実に接しながら診察するうち、親たちの迷いと本音に気づく。それは風邪を引いた子どもを小児科に連れていくか、耳鼻科にするかというものだった。どちらが安全に、早く治せるのだろうか。松永医師の体験を基に解説してもらった。
前回記事:『加入したら自民党応援?医師会の知られざる裏側

お薬手帳を見て驚愕

来院する多くの保護者と話をしているうちに、あることに気がついた。それは、お母さん方が、子どもが風邪を引いたときに小児科を受診するか、耳鼻科へ行くか迷っているという現実だ。例えば、こんなふうに。

「うちの子、風邪を引いてしまって……先生のところが休診だったので、耳鼻科へ行ってきました。こんなに薬が出て、これでいいのかなって」

「先生、うちの子、慢性蓄膿症と言われて、もう1年以上耳鼻科に通っているんです。それも毎日のように。用事があって行けない日があると、耳鼻科の先生、ものすごく怒るんです」

などなど。

そうか。子どもが風邪を引いたら、親は子どもを耳鼻科に連れて行くのか!

さらに驚いたことは、耳鼻科の先生の薬の処方のしかたである。風邪に対してほぼ全例、抗生剤を処方していることを、ぼくはお薬手帳を見て知ることになった。これはいったい、どういうことなのか。風邪に抗生剤が効くと思って出しているのだろうか。

それもペニシリンのようなシンプルな薬剤でなく、どんな菌にでも効く広域スペクトラムの強力なやつを使っている。こんなことを日常的に続けていけば、その子の体内には抗生剤が効かない薬剤耐性菌が蓄積していくことは明らかである。子どもの将来はどうなるのか。腸内細菌叢が変化して、食物アレルギーになったらどうするのだろうか。

ぼくは別に、うちの近隣の子どもをかき集めるようにしてクリニックを運営したいと思っていない。患者がうちに来ようが、耳鼻科に行こうが一向に気にならない。繁盛したいとかまったく考えていないので。だけど、こういう処方は子どものためになっているのかな?

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