ゴルフ2大メーカーが毎年新作クラブを出す理由 100万本販売・前年比+16%、好景気のゴルフ業界
世界のトップゴルフメーカー2社は、1年サイクルでフルラインナップの新商品を投入している。テーラーメイドも、キャロウェイも、1年サイクルごとに投入する商品は、大胆にブランド、コンセプトを大きく変えてくる。
具体的には、テーラーメイドは2020年にSIM(シム)を、2021年にSIM2を、2022年にステルスを、そして今年ステルス2を出した。対して、キャロウェイは2020年にMAVRIK(マーベリック)を、2021年にEPIC(エピック)を、2022年にROGUE ST(ローグ)を出し、今年パラダイムを登場させた。
ゴルフクラブにはドライバー、フェアウェイウッド、アイアンなどの種類があり、飛ばす距離に応じて使用するクラブが違う。それだけに発売する新商品のクラブの種類は多くなる。開発、生産を考えると1年サイクルで新商品を出すことは非常に厳しく、国内メーカーの、例えばダンロップの「XXIO(ゼクシオ)」のように、2年サイクルで新商品を出すのが通常である。
海外メーカーの大手2社が1年サイクルで新商品を投入してくることは、日本メーカーにとっては脅威である。日本メーカーの市場は国内やアジアで、グローバルをマーケットとする海外ブランドとは販売数量で大きな差が開いている。開発力を含めて、この差を埋めることは年々、難しくなってきている。
取引先や小売店「毎年新商品を出してほしい」
主要ブランドを変えることは、認知向上を含めて、広告宣伝やプロ使用のキャップ、キャディバッグの変更など、立ち上げコストがかかる。毎年革新的モデルを出すビジネスモデルについて、バゼル氏は言う。
「いろいろなことを経験したなかで、グローレは2年サイクルで出している。ウッド系(ドライバーなど)に関しては、グローバル的には今と同様、1年サイクルで新しいものを出していきたい。もちろん市場の需要、ゴルファーが何を求めているか注目しつつだが、流れをみて決断していく。小売店との話し合いのなかで、新しい新商品カーボンウッドが欲しいとの声もあり、取引先、小売店からは、毎年新商品を出してほしいとの要望もある」
毎年、革新的なクラブを出すモチベーションは何か。バゼル氏は「前作を超えたいというパッションがモチベーションになっている。日々、より良いものを開発していこうと考えている」「新しい素材は継続的に探していかなければならないが、カーボンはいろいろな形に成型できるので、これからもカーボンをベースにやっていきたい。最新のステルス2のカーボン使用率は50%を超えているが、まだまだ伸びしろがある」と話す。
2月にいよいよステルス2とパラダイムが発売される。どちらがゴルファーに支持されるか注目である。しばらくは軽量で強度のあるカーボン素材をクラブのどの部分に使っていくか、開発競争は今後もますます激化していくのであろう。
そして、1980~90年代にカーボンウッド、チタンウッドなど新しい技術で世界のゴルフ界をリードしていたのは、日本メーカーであった。日本メーカーにもゴルファーが今まで以上の飛びとやさしさを実感できる革新的なゴルフクラブを生み出すことを期待したい。
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