マルクスが150年前に予言した、資本主義崩壊 資本主義崩壊後とポスト資本主義のゆくえ
多くの人によく知られ、一般には当たり前だと見なされていること。これに哲学は、問いを提起します。奇をてらっているからではなく、疑問がふつふつと湧いてくるからです。
「それって本当なのか?」とか「どうしてそう言えるのか?」という形で、あらためて考えてみます。こうしたことの1つとして、「資本主義はどこへ向かうのか?」という問題を考えてみましょう。
資本主義の後については、今までもさまざま議論されていますが、ここではいちばん基本的なものを取り上げてみます。それはマルクスが予言した未来です。
そう言えば、すぐさま答えが返ってきそうです。
マルクスは資本主義の後として「コミュニズム」を目指したのであり、そのコミュニズムは「コモン(common)」の再生である、と。「そんなことも知らないのか!」と詰問されるかもしれません。
150年以上前に予言された資本主義の崩壊
このイメージは、たしかにわかりやすく、いわば常識化していますが、はたしてマルクスはそんなことを主張したのか、気になります。もともとマルクスが「資本主義の後」について語るのはきわめて少なく、しかもその理解は紛糾しています。今日でさえも、「ポスト資本主義」のイメージがはっきりしないのは、そこに原因があるように思えます。
マルクスが資本主義の崩壊を予言してから、もう150年以上が経過しています。20世紀になって、マルクス主義を旗印に社会主義革命が起こりましたが、世紀末になる頃には、社会主義は崩壊してしまいました。
そのため、アメリカの政治学者フランシス・フクヤマが資本主義以後はありえないという意味で、「歴史の終わり」を宣言しました。はたして資本主義に代わる社会は可能なのでしょうか。
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