三菱「デリカミニ」5月発売、ブランド復権の狼煙 ついに全貌が明らかに、すでに先行受注も開始

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スペーシアベースのカスタマイズ仕様
スズキブースに展示されていたスペーシアベースのカスタマイズ仕様(筆者撮影)
タント ファンクロスのカスタマイズ仕様
ダイハツブースに展示されていたタント ファンクロスのカスタマイズ仕様(筆者撮影)

今回の東京オートサロンでは、三菱に限らず、スズキやダイハツでも、軽スーパーハイトワゴンの新型モデルに、アウトドアスタイルのカスタマイズ提案車を出していたことも印象深い。スズキでは、2022年8月に発売したスペーシアベースに、ベッドキットなどを装備した車中泊仕様を展示。ダイハツは、2022年10月発売のタント ファンクロスの外装に、MTB(マウンテンバイク)をイメージさせるグラフィックや、カモフラージュ柄のシートなどを施した仕様を展示した。

いずれも発売当初から「アウトドアでの遊びも楽しめる」ことをコンセプトとしているモデル。展示車両は、それをさらに強調する仕様となっていた。とくに当展示会には、カスタマイズ嗜好が強い一般ユーザーが数多く来場する(2023年の参加者数17万9434名)。三菱を含めた各メーカーが、異口同音に、そうしたユーザーたちへ向けて、「ぜひ自社モデルで、アウトドア風味の『クルマイジり』を楽しんでください」といわんばかりの展示をしていたことがとても面白い。おそらく、今のアウトドア・ブームと自社モデルをひも付けすることで、顧客へ強く訴求し、販売台数を伸ばすためのマーケティング戦略なのだろう。

デリカブランド復権なるか

リア
デリカミニのリア(筆者撮影)

ともあれ、近年人気が高いアウトドアをコンセプトとしつつ、自社の強みである「デリカ」というブランド力を採り入れた新型デリカミニが、強豪ひしめく軽スーパーハイトワゴンのジャンルで、どれだけ販売台数を伸ばせるかが興味深い。

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前述のように、他メーカーでも近年は、同様の「外遊び」コンセプトを持つモデルを出しているだけに、後発のデリカミニがそれらを打ち破り、新車販売台数などで王者N-BOXにどれだけ肉薄、もしくは追い抜けるのか。軽スーパーハイトワゴン市場のシェア争いが、今後も激化することだけは確かだろう。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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