今年で40周年「カシオG-SHOCK」山形工場の凄み 女性マイスターたちが支えるハイエンドモデル
昨年5月に発表された「G-SHOCK MTG-B3000」のような新モデルの生産を山形カシオが担当する場合は、羽村技術センターから設計図を受け取って山形カシオのスタッフが必要な金型を製作する、と木村氏は説明する。その金型と生産用ロボットを使って部品やクオーツ時計のムーブメントを製造するほか、完成した時計の出荷までを一貫して手がけているという。
さらに山形カシオのスタッフは、ほかの工場のさまざまな生産工程の監督も行い(「機械の様子は私のパソコンから確認できる」と木村氏は言う)、問題が発生した場合は山形カシオから人を派遣して対処にあたることもある。「そうすることで、品質を維持できるのです」と木村氏。
ハイエンドモデルの組み立ては全員女性
山形工場で生産されるハイエンドモデルに関して言うと「G-SHOCKは人間の手で作られている」と木村氏は話す。より正確には、女性の手で作られているそうだ。「現在の組み立て班は約30人で、全員が女性です」。
組み立て班には誰もが入れるわけではなく、メダリスト制度(ゴールド、プラチナ、マイスターの3つのランクがある)の試験に合格する必要がある。「山形工場で最も優秀な人たちです」。木村氏は組み立て班のメンバーについて、そう語った。
筆者が工場を見学した日には、「G-SHOCK MTG-B3000」(価格は12万1000円から)の組み立てが行われていた(製造モデルは日によって異なる)。MT-Gとは、Metal Twisted(メタルツイステッド)G-SHOCKの略。カーボン樹脂製のケースと金属パーツの組み合わせによって実現した高い耐衝撃性能を強調したネーミングだ。
工場見学は、同社の時計の一部とその生産技術を展示しているショールームからスタートした。地元の学校などの団体客は予約すれば見学できるが、一般には公開されていない。