今年で40周年「カシオG-SHOCK」山形工場の凄み 女性マイスターたちが支えるハイエンドモデル

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隣の部屋は、G型の組み立てモジュールが設置された高級時計の生産ラインだ。

G型のテーブルの前には、防塵服を着た20代前半から40代の女性30人ほどが立っていた。歩きながら見てみると、モジュールの組み立て(7本のネジをムーブメントにねじ込む)、ソーラーパネルと文字板の取り付け、ムーブメントへの針の取り付け(このモデルは8本)、針の位置と角度の調整、針の高さの調整、ケースへの針の取り付けと調整など、「MTG-B3000」の組み立てに必要なさまざまな工程が行われていた。「G-SHOCKの組み立ては、人の技と機械のコンビネーション」だそうだ。ここでの時計生産能力は、月平均で約8000本とされる。

組み立てライン
(写真:Noriko Hayashi/The New York Times)

組み立てが完了しても、G-SHOCKはまだ販売できる状態にはなっていない。モデルに応じて、防水性、気密性、耐久性などをテストしなくてはならないからだ。下位グレードのモデルとは違い、ハイエンドのG-SHOCKは1本1本検査される。

スタッフがバンドを取り付けた後にも最終チェックがあり、それをクリアしてようやく出荷可能な状態となる。

初号機の実機を手首にはめて思ったこと

見学の最後には、特別なもてなしが待っていた。1983年に発売された初代G-SHOCK(羽村に数本しか残っていないが、そのうちの1本が今回の工場見学に合わせて山形に運ばれていた)の実物を見せてもらうことができたのだ。腕に着けてみると、現在のG-SHOCKとたいして違わず、古さを感じない。まさにタイムレス、と驚かされた。

G-SHOCKの世界累計生産は2017年に1億本を突破(山形カシオのロビーには、それを祝ったときの空の酒樽が置かれている)。その数は2021年には1億4000万本に到達した。

「G-SHOCKは人気があるので、よくまねをされます」。私たちが見学を終えると、山形カシオの木村社長はそう言った。「それでも、G-SHOCKの形には、まねのできない美しさがあるのです」

(執筆:Vivian Morelli)
(C)2023 The New York Times

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