今年で40周年「カシオG-SHOCK」山形工場の凄み 女性マイスターたちが支えるハイエンドモデル
山形カシオと呼ばれる東根市の工場を訪ねたときの第一印象は、ほかの日本の大手時計メーカーとあまり変わらなかった。靴を脱いでスリッパを履き、会社についてのプレゼンテーションを受け、延々と続く長い廊下を歩かされたからだ。しかし、そこにもカシオの特徴である遊び心やユーモアが溢れていた。
出迎えてくれたのは山形カシオの木村真一社長で、案内は山形県にまつわる豆知識から始まった(山形県民の1人当たりのフライドチキン消費量は日本一で、1カ月に64個も食べているそうだ。また、名物の芋煮では「8時間で最も多くのスープを提供した県」としてギネス世界記録に認定されているとのこと)。
G-SHOCKの歴史の山形カシオの歴史
山形県と初代G-SHOCKのつながりについても説明があった。「G-SHOCKの歴史は山形カシオの歴史です」。
そして、G-SHOCKと山形カシオの歴史は、親会社の多国籍電子機器メーカー、カシオ計算機の歴史から切り離すことはできない。カシオ計算機は多くの製品を生産しているが、2022年3月期には3800万本の時計を生産し、時計売上高は1523億円と、時計メーカーとしてはアジア最大の売り上げを記録している。
山形カシオはカシオ計算機の子会社で、7つの巨大な建屋にまたがる工場の敷地面積は3万701平方メートル。1979年に設立され、2018年に最新の建屋が建設された。
600人の従業員が、プロジェクターや計算機、医療機器、携帯型スキャナー、「オシアナス」やG-SHOCKの上位モデル「MR-G」を含む時計など、さまざまな製品を製造している。2020年からは、桜をモチーフにした従業員用のサージカルマスクも作っている。150〜300ドル程度の安価なG-SHOCKは、中国の3工場とタイの1工場で生産されている。