アメリカのボーイングの主力旅客機「737MAX」シリーズの中国での商用運航が、約4年ぶりに「静かに」再開された。
1月13日、国有航空大手の中国南方航空が広東省の広州空港と河南省の鄭州空港を結ぶ路線に同型機を使用。同じく広州空港と湖北省の武漢空港を結ぶ路線にも同型機を復活させた。
中国航空業界の複数のアナリストによれば、南方航空による737MAXの商用運航再開は、民間航空行政を所管する中国民航局の最終許可がすでに下りたことを示唆している。また、財新記者の取材に応じた民航局の関係者は、「商用運航が行われたということは、737MAXの飛行禁止が解除されたという意味だ」とコメントした。
ところが現時点まで、民航局は737MAXの飛行禁止解除に関する情報を公表していない。また、商用運航再開についての航空会社からのアナウンスも、南方航空を含めて一切ないのが実態だ。
中国より先に180カ国超で再開
737MAXの飛行停止は、2018年10月に起きたインドネシアのライオン航空の墜落事故と、2019年3月に起きたアフリカのエチオピア航空の墜落事故がきっかけだった。連続事故を重く見た中国民航局は、世界の航空安全当局に先駆けて737MAXの飛行停止を決定。その後、同型機は世界各国で飛行停止の措置が取られた。
ボーイングは事故原因の究明と737MAXの飛行制御ソフトウェアの設計変更に取り組み、各国の航空安全当局に飛行再開を申請。2021年11月、アメリカ連邦航空局(FAA)が飛行禁止を解除したのを皮切りに、すでに180カ国以上で商用運航が再開している。
そんななか、中国政府は737MAXの飛行禁止解除に慎重な姿勢を取り、商用運航の再開時期が(航空業界の予想より)大きく遅れていた。
なお、民航局は737MAXの飛行再開に向けた「三原則」を明示。第1に、航空機の設計変更後に耐空証明を取得すること。第2に、パイロットに効果的な訓練を改めて施すこと。第3に、墜落事故の調査結果をはっきり示し有効な対策を実行すること、を前提条件としていた。
(財新記者:趙丹)
※原文の配信は1月13日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら