「成果をだすチーム」が絶対に採用しない"ルール" 真面目なリーダーほど陥る「士気爆下げ」の危険
活動初期に減点主義になってしまうと、弾み車を押すエネルギーは急速に失われて、チームづくりそのものをやめてしまいます。
数ミリの変化を喜ぶことが、きわめて重要なのです。
関係性をつくろうとして「1on1面談」をしたとします。
「スタッフが全然本音を話してくれなかった」
これは、減点主義の考え方です。
「まずは1対1で話ができただけでもよかった」
「1対1になったときにああいうふうになるんだとわかっただけでよかった」
「自分の面談経験値が積めただけでよかった」
というように、必ずプラスを見つけます。
そうやって加点主義で考えると、組織内で攻撃し合うことがなくなり、心理的安全性は高まりますし、活動の推進エネルギーが湧いてきます。
真面目な方ほど減点主義になってしまいがちです。加点主義で考えるのは、「仲良しクラブ」のぬるい組織なのではないかと心配になり、強く指摘せずにはいられないのです。
しかし、減点主義は、車輪を止めます。
むしろ減点主義は、目標に向かわなくするエネルギーなのです。
「10取り組もうと思っていたのに2しかできなかった(マイナス8)」というのでは、もともと描いていた目標に向かうエネルギーが湧きません。
「10取り組もうと思っていたけど2進めたね。じゃあ次は4にしよう」という考え方は、減点主義と比べて、目標に向かうエネルギーを強めているのです。
だから、安心してください。加点主義は、「仲良しクラブ」の甘い組織にしてしまうわけではありません。
減点主義こそマイナスなのです。
ここまで言っても、減点主義をやめられない人がたくさんいます。
ですが、その困難さがチームづくりの醍醐味とも言えます。減点主義をやめられない自分をも楽しんで、少しずつできるようになっていってください。
ソフトバンクの「1位」の使い方
ソフトバンクは、携帯通信会社として日本を代表する大企業ですが、しかし通信業界に参入した当初は順風満帆とは言えませんでした。
イギリスのボーダフォンを1兆7500億円で買収して業界に参入したソフトバンクですが、業界では常にビリの3位。
ビリの期間が長すぎて、組織には「負け癖ムード」が漂っていました。
「オレたちが1位なんてムリ」
「頑張ってもムダ」
そんな雰囲気があったそうです。
そこでソフトバンクは、「瞬間風速でもいいから1位を取ろう」と狙いをつけます。
参入からわずか半年後、1ヶ月間だけ契約者純増数ナンバーワンを獲得しました。
翌月からはまた3位に転落するのですが、一度でもナンバーワンを取ると、「契約者数純増数ナンバーワン」を大々的にうたい、宣伝しまくりました。