日本生命の営業部長、契約者から2億円詐取の疑い 「業務関連性ない」との判断に被害者は意気消沈

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日本生命の営業部長が契約者に対し多額の金銭詐取を行っていた疑いのあることが、東洋経済の取材で明らかになった。保険営業の現場では、なぜここまで不正が続くのか。

元営業部長がA氏を勧誘した際に使った偽造チラシ。日本生命のロゴマークが確認できる(編集部撮影)

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生命保険業界では、営業職員チャネルのコンプライアンス強化が重要な課題になっている。契約者に対して、営業職員が金銭詐取を行ったり、名義借り契約を持ちかけたりなど、犯罪・不正行為が後を絶たないからだ。

大手生保の日本生命保険でも、2017年から2021年までの5年間で、営業職員15人による契約者に対する金銭詐取(被害額1億3800万円)が判明し、同社は2022年6月にその事実を公表している。

今回、それよりも前の2015年から約7年間にわたって、現場の営業部長が契約者(以下、Aさん)から約2億円の金銭詐取を行っていた疑いのあることが、東洋経済の取材で明らかになった。

日本生命には全国で働く営業職員を束ねる営業部長が約1500人いる。つまり、今回は現場で営業職員を直接指導・育成する責任者による金銭詐取の疑いということになる。

疑いを持たれているのが、すでに別件の詐欺容疑で兵庫県警に逮捕されている、日本生命の阪神支社・西宮北営業部の元営業部長の林泰之容疑者(36歳、2022年3月日本生命退社、以下元営業部長)。

元営業部長は「3ヵ月で12%の儲けが出る」など、架空の投資話を持ちかけて元同僚から500万円を詐取した疑いで2022年10月7日に逮捕。さらに12月1日、同様の手口で知人から600万円を詐取した疑いで再逮捕されている。両事件ではすでに起訴されているが、警察に自首した際に、「契約者や同僚など複数名から約3億円の金銭をだまし取った」と話しており、警察では契約者に対する詐欺行為も含めて、現在余罪について捜査しているという。

「日本生命を信用して金銭を預けた」

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