生保業界で絶えることなく続く営業職員の金銭詐取事件。今度は外資系大手のメットライフ生命で、20年以上にわたって金銭詐取が行われていたことが明らかになった。
大手外資系生保のメットライフ生命保険の営業職員(男性、60代)が契約者など8人から約7000万円の金銭を詐取していたことが東洋経済の取材で明らかになった。
この営業職員は、甲信越・北陸地方にある営業拠点で30年以上にわたって保険営業を担うコンサルタント社員として勤務していた。内部告発をもとに同社が2021年2月から調査を行ったところ、20年以上前から金銭詐取と不正契約を繰り返していたことが発覚。2021年6月末に懲戒解雇されている。
不正の事実を公表せず
メットライフ生命は日本で営業する外資系生保の中で最も歴史があり、保険料収入でもトップ。営業職員と代理店、金融機関、通販の4つの販売チャネルを持ち、「コンサルタント社員」と呼ばれる営業職員は2021年3月末で約4200人いる。
同社はこの事案を対外公表しておらず、広報担当者は東洋経済の取材に対し、「当該営業拠点がある現地の財務局を通じて、金融庁には事件についての詳細は報告している」と回答している。
金融庁の担当者は「個別事案には言及できないが、(一般論として)不祥事案の届け出があった場合、被害の大きさや広がりを鑑みて、保険会社に公表を促す場合はある。ただ強制はできず、最終的には会社側の経営判断に委ねている」と話す。
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