金融庁が外貨建て保険の規制強化に本腰を入れ始めている。今回メスを入れるのは、解約時の手数料だ。
金融庁が外貨建て保険の規制強化に本腰を入れ始めている。今回メスを入れようとしているのは、契約者から見えにくく、外貨建て保険の「暗部」とされてきた、解約時にかかる手数料だ。
外貨建て保険をめぐってはここ数年、高齢者を主なターゲットに「相続対策」などと銘打って販売が過熱してきた。一方で、代理店として販売の主役となっている銀行と契約者の双方が、外貨建て保険の商品性をよく理解しないままに売り買いすることで、トラブルが多発した。
2019年度には銀行などの代理店経由で販売した外貨建て保険に対する苦情件数が2800件超にのぼり、2014年度と比べて3倍以上に膨らんでいる。
そうした状況下で、手数料をはじめとして顧客本位とはかけ離れた外貨建て保険の商品設計が改めて問題になっている。金融庁は今後、トラブルの火種にならないように生命保険や銀行各社に改善を強く迫る構えだ。
契約者に過大な負担を押し付ける仕組み
「最悪の仕組みでしょ」
金融庁の幹部がそう吐き捨て、見直しのメスを入れようとしているのは、「タイムラグマージン」と呼ばれる保険解約時の過大な手数料だ。運用資産の金利変動を反映させる(市場価格調整=MVA)タイプの、一時払い外貨建て保険などに組み込まれている。
そもそも、なぜそうした手数料が組み込まれているのか。それは、契約者が解約を申し出た時点と、保険会社が運用に充てていた外国債券などを解約に伴って売却処分するまでの間に、最大で2週間程度のタイムラグ(時間差)があるからだ。
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