生保レディ、昇格しても固定給が下がる理不尽 正社員なのにノルマで契約終了、経費も負担

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生命保険会社の営業職員の給与は、理不尽なほど少ない。課された営業目標を達成しても、固定給が年を追うごとに下がっていく。

国内の生保で働く営業職員Tさんの給与明細。入社から1年が過ぎて昇格しても手取りは約10万円となった(記者撮影)

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「え? なんでこんなに少ないの……」

2020年から国内の生保A社の営業職員として働くTさん(女性、30代)は、入社から1年数カ月が経ったころ、会社から渡された月額給与の明細表を見て言葉を失った。

固定給と歩合給などを合計した給与(課税対象額)が12万円台で、そこから所得税や社会保険料などを控除した手取り額が約10万円だったのだ。入社から3カ月ごとにある査定(営業成績の評価)は毎回クリアしていた。約30人いる同期入社の職員の中でも営業成績は上位で、通常は2年かかる営業主任にも「飛び級」で昇格した。

それにもかかわらず、初任給を大きく下回る月額給与にまで落ち込んでいた。「時には休日出勤までして、フルタイムで働いているのにこの給与では生活水準が維持できない」とTさんは困惑している。

いったい生命保険会社の営業職員の給与体系はどうなっているのか。

ノルマ未達なら雇用契約は打ち切りに

一般的に営業職員の給与は、勤務する地域や職位(役職など)によって決まる固定給と、毎月の営業成績に応じて支払われる歩合給の合計となっている。歩合給は営業成績次第で増減するので、給与総額は毎月変動する。

A生保の場合、入社時の固定給(いわゆる初任給)は月額14万~18万円で、Tさんが勤務する地域の初任給は15万円となっていた。

入社から3カ月間は固定給のみの支払いだったが、徐々に仕事を覚えて保険の契約を順調に獲得できるようになると、販売手当と呼ばれる歩合給の金額も増えていった。月によっては給与が20万円を超えることもあった。

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