「花粉で鼻がつまる人」がコロナにやられる訳 「鼻うがい」と「足あたため」の意外な効果
全国の花粉症患者にとって、日本気象協会の昨年12月の発表は、悲報でしかなかった。今年のスギ花粉飛散量は九州~東北で前年より多く、特に四国・近畿・東海・関東甲信で軒並み200〜290%と「非常に多い」見込みだという。
飛散開始は例年並みで、九州から関東では2月上旬から。まさに目前だ。
やっかいなのは、花粉症や花粉の飛散が、新型コロナやインフルエンザから身を守ることまで邪魔してくれることだ。
「口呼吸」で崩れる免疫防御
まず、それなりにシッカリ花粉症だったら、「鼻づまり」からは逃れられない。
そのせいで無意識のうちに「口呼吸」になってしまうのが、非常によろしくない。鼻呼吸と比べて、呼吸器感染ウイルス・細菌に対する防御力という点で格段に劣るからだ。
新型コロナのエアロゾル感染で認識が高まったとおり、空気中には目に見えない病原体や異物が無数に浮遊している。しかも2月頃までは、一年で最も空気が乾燥している時期だ。関東を中心に相対湿度は50%前後まで下がっている。
本来、鼻呼吸であれば、吸い込んだ冷たい乾いた空気も鼻腔内で温められ、湿り気を帯びてから喉の方へ流れこむ。気道の粘膜には線毛が生えていて、エアロゾルに含まれる病原体などの異物を排除する仕組みになっている。
コンピューターシミュレーションと擬似モデル実験による研究でも、鼻呼吸ではエアロゾルが非常に効率的に濾過され、異物が下気道(気管〜肺)に到達するのを大幅にカットできた。
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