資産5億超え投資家がこっそり指南、2つの買い時 初心者こそ「相場と株価のサイクル」を理解しよう

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

株式市場に残った一部のリスクマネーは、大型株中心になります。

企業業績は非常に悪い状態で、株式市場には資金が入ってこないので、株価が上がらない状態が続きます。日本では2009年からアベノミクスが始まる2012年までがこの状態にありました。

新高値ブレイク投資法を実践する上で必要なこと

そして、中央銀行が金融緩和に着手すると、再び金融相場がやってきます。2012年11月に始まったアベノミクスや2020年2~3月のコロナ・ショックの後が、典型的な金融相場です。

忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術
『忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

新高値ブレイク投資法を実践する上では、相場が上記の4つの局面のどこにあっても、すべきことは変わりません。新高値を更新した銘柄をチェックして、ファンダメンタルズに大きな変化が起きていて、株価上昇が期待できる銘柄をリスクリワードで優位となるポイントで買いに行きます。適切なリスク管理を行いながら、これを愚直に繰り返します。

ただ、新高値銘柄の数は相場サイクルによって異なります。新高値をブレイクする銘柄が多いのは、株式相場全体が上昇する金融相場と業績相場です。追い風が吹くこの2つの局面では、相対的に利益が狙いやすいといえます。

一方、逆金融相場は市場全体の下落局面になりますが、その中でも株価が下がらない銘柄はあります。かなり強いファンダメンタルズを備えている銘柄です。多くの銘柄が下がる中で逆行高になっている銘柄は、市場の中で目立ちやすく探しやすいというメリットがあります。

また、金融相場、業績相場では株価が上がる銘柄が多くなりますので、ポジションを多めに持ちやすい時期といえます。反対に逆金融相場、逆業績相場では、株価が下がる銘柄が多く、上昇する株は少ないため、難易度が上がります。概して、保有するポジションは少なめにしてリスクを抑えたほうがいいでしょう。

(編集部注:本記事は特定の株式の購入を推奨するものではありません。株式投資は、さまざまなリスクを正しく認識したうえで、ご自身の判断と責任に基づいて行なってください)

DUKE。 個人投資家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

でゅーく。

個人投資家。テクノファンダメンタル派。米国公認会計士。慶應義塾大学を卒業後、東証1部上場企業に入社。管理会計、経営計画に長く携わり、経営陣への収益分析報告の責任者を務める。2003年、結婚と同時に株式投資を始める。手痛い大失敗を繰り返すも、ライブドアショック、リーマンショックを乗り越える。その後、ウィリアム・オニールの投資法に出会い、開眼。以来、自身の「新高値ブレイク投資術」の改善を続けている。2014年、株式投資での累計利益が1億円を突破。2016年の日経平均株価がマイナスに沈む厳しい環境下でも、1億円の利益を達成。家庭では3児のイクメンパパ。好奇心が旺盛で、旅行と新しいことが大好き。将来、宇宙旅行に行く予定。東京おもちゃショーに家族を連れて行くかたわら、玩具会社の銘柄調査や流行チェックを行うなど、楽しみながら一石三鳥の株式投資を実践している。個人投資家に役立つ情報発信を目指して、日々、ツイッターやブログを更新中。著書に『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社)がある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT