資産5億超え投資家がこっそり指南、2つの買い時 初心者こそ「相場と株価のサイクル」を理解しよう

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金融相場ではバイオ銘柄などの赤字企業でも株価が上昇しますが、業績相場では銘柄の選別が行われ、好業績の裏付けのあるファンダメンタルズがしっかりした銘柄が買われる傾向が強くなります。つまり、株価が上がる銘柄と上がらない銘柄の二極化が起こります。

金利上昇によりブレーキがかかる「逆金融相場」

そして次に来るのが逆金融相場です。このころには、企業業績のピーク、景気のピークを迎えます。景気が過熱し、物価の上昇、インフレが起きたりします。2022年10月時点で、欧米の高いインフレ率が問題になっていますが、逆金融相場の段階になっていることを意味します。

中央銀行は景気の過熱を抑えるため、場合によっては行き過ぎたインフレを抑え込むために金融の引き締めに動きます。政策金利の引き上げを行うのです。金利が上昇すると、借入をしている企業の金利負担が増えます。

たとえば、不動産開発をしている企業は自己資本比率が非常に低く、銀行などから多くの借り入れをしています。それまでは金利が低かったので、自己資本を超える借り入れをして、レバレッジを効かせて不動産開発をし、完成した不動産を売却してビジネスをしていたのです。金利が上昇すると、借入金に対する利払い負担が増えるため、事業活動にブレーキがかかってきます。工場の建設などの設備投資も減ることになります。

借入金比率の高い企業は金利負担が増え、以前と比べて業績にマイナスの影響が出てきます。その意味で、逆金融相場では借入金が少ない健全なバランスシートを持っている企業が注目されやすくなります。一般的にはバリュー株優位といえます。

また、我々のような消費者の立場で見ると、住宅ローン金利や自動車ローン金利が上がることにより、住宅や自動車が買いにくくなるということも起こります。消費活動にもブレーキがかかるのです。

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