そもそも、受験って、なんのために挑戦するものなのでしょうか。もちろん「いい学校に行くため」と答える人も多いでしょうが、それ以上に、「自分を成長させるためのチャンス」です。そうであるならば、受験の日まで頑張って、人間的に成長して、試験会場で全力を出すことができるのならば、目的はもう達成されているといえるわけです。
少し話は変わりますが、弓道で高校の全国大会に出場したことがある東大生に聞いたのですが、「矢を当てよう」と思うと、当たらなくなってしまうのだそうです。矢が的に当たるのは、結果論です。何回も繰り返しているように矢を引いて、身体に染み込んだ動作をすることができれば、自然に矢は的に当たってくれる。逆に「当てよう」という意識があると、普段の練習どおりにすることができず、当たらないのだそうです。
受験でも、同じことがいえるでしょう。「合格しよう」と思い過ぎてしまうと、合格は遠のいてしまいます。合格するのは結果論でしかなく、普段の練習どおりに行動することができれば、結果論として合格することができるわけです。
「なるようにしかならん!」
自分の母親は、自分が受験生のときにおろおろして「合格できるかな」と不安がっていると、いつもこんなふうに一喝していました。
「なるようにしかならん!」
確かにそのとおりなんですよね。なるようにしかならないんだから、あまり結果を求めず、「合格しようができまいが、どっちでもいい」と言っているくらいがちょうどいいのです。
だから、一言、こんなふうに言って送り出してあげてください。
「合格しようができまいが、どっちでもいい。ここまでよく頑張ったんだから、あとは全力で挑んできなさい!」
そして受験が終わったタイミングで、ご馳走を出してあげましょう。合格発表の日に喜ぶのではなく、受験を1年間頑張ったこと自体をほめてあげる。そうすれば、受験が人生にとっていい糧になると思います。
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