ソニー・ホンダ新EV「世界と戦える」と期待できる訳 プレゼンから見えてきたモビリティー戦略
乗用車の自動運転のレベルが進めば進むほど、運転手の脳は義務から解放されマインドオフ度が高まります。そのためクルマによる移動空間が未来においては感動空間になるというソニーの主張は理解できます。
プレゼンテーションでは車内で感動を与えるコンテンツとして、ソニーが従来手掛けてきた映画、音楽、ゲームだけではなく「それ以上のもの」を提供したいという意気込みを語っています。
とはいえ、まだこの世界に存在していない「それ以上のもの」といわれても、プレゼンテーションを聞いた側のわれわれにはピンとこない部分は残ります。そのヒントとしてソニー・ホンダのパートナーとしてEpic Games(エピック・ゲームズ)のキム・レブレリCTO(最高技術責任者)が登壇しました。
「フォートナイト」の世界観をEVに実装?
エピック・ゲームズは全世界で3.5億人がプレイする「フォートナイト」を提供するゲーム会社です。レブレリ氏はゲームの世界と同じように、自動車の移動空間がほかの自動車のユーザーとつながる未来を示唆しました。
私が昨年出版した『日本経済復活の書』の中で、「未来のモビリティー体験はやがてモビリティーSNSを生み出すだろう」と近未来の乗用車体験を予測しています。ネットのSNSではつながっていてもリアルに会うことはできませんが、お互いが移動している最中のモビリティー体験であれば、リアルに会える友だちを容易に検索したり、会える友だちが通知されたりするようになるはずです。
たとえ距離的に離れていたとしても、2台の車同士がオンライン会議のようにつながることで、ドライブ中にその場にいない友人があたかもそこにいて、一緒にドライブしているように次世代ディスプレイが映し出すことも可能です。フォートナイトの世界観でできることはEVにも実装できる。ソニーもその未来を視野にいれているのだということが短いプレゼンテーションの中から感じ取ることができました。
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