プロ野球の試合時間は必ず短縮できる 1試合平均「3時間17分」は長すぎる

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それより選手に周知徹底しなくてもできる時短策がある。球審の起用法の見直しである。

NPBには現在、59人の審判員が所属している。そのうち48人が昨年、1軍の試合で球審を務めた。1試合だけの若手もいるが、中堅以上のレギュラークラス26人はほぼ均等に20試合以上(最多23試合)を割り振られた。

優秀な球審の登板数を増やせば、試合時間は短くなる

その26人の昨年の個人別平均試合時間(9回試合)を見ると最も短い審判で3時間7分。逆に最も長い審判は3時間26分に及んだ。その差19分。はっきり傾向が出ている。

「ストライクをしっかり取る」「判定が安定している」と評価されている審判は短く、逆に「ストライクゾーンが狭い」「一定していない」という評判の審判は長い。

選手会が毎シーズン後に実施している「ベストアンパイア」アンケートで昨年上位3人に選ばれた名幸一明、秋村謙宏、真鍋勝己の各審判員が球審を務めた試合の平均時間はいずれも全体の平均より短い時間で収まっている。

NPBは審判員に「ストライクを殺すな」と指導しているという。ストライクをきっちり判定し、スムーズな試合進行を演出できる審判員がより多くの試合で球審を務めれば、全体の平均試合時間は間違いなく短くなる。

審判員の出場手当は球審3万4000円、塁審2万4000円、控え7000円だ。球審が一番高い。優秀な審判員の待遇をよくする意味でも、球審の登板数に格差をつければいいのである。全体の技術向上にもつながると思う。

待遇に差をつけるにはきちんとした査定システムが必要になるが、それこそ12球団、監督、コーチ、審判員のオールプロ野球で。スピーディーな検討を期待したい。

永瀬 郷太郎 スポーツニッポン新聞社特別編集委員

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ながせ ごうたろう

1955年、岡山市生まれ。早稲田大学卒。1980年、スポーツニッポン新聞東京本社入社。1982年からプロ野球担当になり、巨人、西武の番記者を歴任。2001年から編集委員。2005年に「ドキュメント パ・リーグ発」、2006年は「ボールパークを行く」などの連載記事を手掛ける。共著に『たかが江川されど江川』(新潮社)がある。野球殿堂競技者表彰委員会代表幹事。
 

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