ワンルームマンションから上場企業
2012年、それは渋谷のボロボロのワンルームマンションから始まりました。
従業員は3人。1人用のとにかく狭いワンルーム。打ち合わせ用のスペースがないので、トイレの前でミーティングをしていました。打ち合わせが始まるとトイレに行けない。そういう場所から、とあるスタートアップ企業が始まったのです。その企業とは2021年に上場した、個人スキルのマッチングサイトを運営するココナラです。今では売上は10億円、130名以上の社員を抱える企業に成長しています。
私は、ココナラの立ち上げ初期にお手伝いをさせてもらっていました。
創業者である南章行氏は典型的なエリートの道を歩んでこられました。慶應義塾大学を卒業後、日本の都市銀行でアナリスト業務を経験。その後、企業買収ファンドで投資案件に関わりながら、オックスフォード大学でMBAを取得されます。
それと並行して、複数のNPO法人の立ち上げにも関わっていました。こんなエリート中のエリートのような肩書を持っている方が、狭いワンルームマンションで汗をかきながら働いているのですから、面白いものです。ただ、南氏はこの頃から「1人ひとりが活躍できる世界を作りたい。世の中をエンパワーメントしていきたい」と、おっしゃっていました。
会社は大きく変わりましたが、そのビジョンは今も変わっていません。
最初はサークル活動のように始まったココナラですが、スタートアップとして信じられないほどのスピードで成長していきます。小さなワンルームだったオフィスは、普通のオフィスになりました。グレードアップが一番はっきり表れるのが、トイレです。移転するたびにトイレがきれいに、快適になって驚きました。
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