大学進学から一変、ギタリストの道へ
高校3年の冬のことでした。年が明けたらすぐにセンター試験です。そのタイミングで、優等生だった私が「やっぱり大学に行くのはイヤだ!」と言い出したのです。親とはそのときさんざんケンカしました。
そして、母親にはメチャクチャ泣かれてしまいました。
当時は、将来を流されるように決めることがイヤでした。周りの友だちが同じような人生を歩んでいくのを見て、大きな違和感を覚えたのです。
大学に行く代わりに、選んだのはギターの専門学校。高校のときにはギターをかじる程度に弾いていただけで、そんなに真面目に取り組んでいたわけではないのですが……。
しかし、この世界も簡単ではありません。1年も経たないうちにやめて、フリーター生活が始まったのです。同時にギャンブルにハマってしまい、アルバイトで稼いだお金は生活費以外、ほぼパチンコやスロットに使いこんでいました。その頃は「自分は本当に人として底辺だな」と思っていました。
救いがあるとすれば、コンピュータに触れたこと。音楽は続けていたので、コンピュータで曲を作っていたのです。
曲作りのほかにも、パソコンでホームページを作ったり、画像を編集したりするなど、いろいろと遊んでいました。そのうちに、バイト感覚で派遣登録していた会社から、初歩的なITエンジニアの仕事を依頼されるようになりました。
しかし、この仕事をきっかけにエンジニアという仕事の可能性に気づくのです。
私は、仕事にのめりこみ、できる限り自分の時間をプログラミングに使うようになります。振り返ると、これまで私はあまり先のことを考えずに、「今、自分がしたいこと」を最優先にしてきたように思います。
そして25歳のとき、派遣の仕事で成果を出していたところを評価され、正社員としてエンジニアとして採用されたのです。その輝くべき私のエンジニアデビューの場は……なんとゴルフ用品店でした。
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