「silent」ロス層争奪戦へ熾烈を極める冬ドラマ 復権の兆しをみせるラブストーリーも目玉
10月期の秋ドラマが最終回を終え、早くも来週から1月期の冬ドラマがスタートする。「silent」(フジテレビ)のヒットで復権の兆しをみせるラブストーリーは1月期も目玉のひとつで、“silentロス層”の争奪戦は熾烈(しれつ)を極めそう。1月期も40本近い各局ドラマを無料で同時配信、見逃し配信するTVerの小原一隆氏(44=元ドラマプロデューサー)に注目ポイントを聞いた。
「科捜研の女」をやってきた枠でラブストーリー
-「silent」が話題をけん引した秋ドラマも終わり、1月4日を皮切りに冬ドラマがスタートします。小原さんの注目作品、注目ポイントは何ですか。
小原 やはり、サイレントロスの人たちのハートをどの作品がつかむのかというところで、いいラブストーリーに期待したいですね。枠として気になるのは、テレビ朝日系「星降る夜に」(1月17日スタート、火曜9時)。ずっと「科捜研の女」をやってきた枠なので、吉高由里子さん×北村匠海さんで視聴者層を若めにしてどんなラブストーリーを作るのか。大御所、大石静さんのオリジナルであることも含めて注目しています。
-タイミングがいいのか悪いのか、この作品の男性キャラも「聴覚を持たない」設定。「音のない世界」「手話」というキーワードが、「silent」とかぶってしまっているんですよね。
小原 そうなんです。吉高さんと北村さんの名前は夏前から挙がっていたので、決して「silent」の後追い企画ではないのですが、ちょっとタイミングが残念というか。比べられてしまうことは避けられないので、どういう世界観で視聴者にアピールするのか注目しています。
-TBSは、主要3枠のうち2本がラブストーリー。広瀬すず×永瀬廉の火曜ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」(1月17日スタート、火曜10時)と、井上真央×佐藤健×松山ケンイチの金曜ドラマ「100万回言えばよかった」(1月13日スタート、金曜10時)というラインアップです。
小原 1月期はTBSさんが豪華なんですよね。「100万回言えばよかった」は、幽霊となって恋人を見守る男性と、その姿がまったく見えないヒロイン、その2人をつなぐ人のファンタジー。映画「ゴースト」的な感じで、うまくいくといいラブストーリーになると期待しています。「夕暮れに、手をつなぐ」も、大御所の北川悦吏子さんが青春ラブストーリーを書くということで、どうなるのかなと。
-火曜ドラマ枠といえば「逃げ恥」や「恋はつづくよどこまでも」「私の家政夫ナギサさん」など恋愛ドラマのヒット作をいくつも手掛けてきたブランド枠ですが、このところ迷走状態が続いている感が…。