ドラマ「エルピス」圧倒的な重厚感を生む3つの点 熱量が伝わる脚本や、長澤まさみの熱演も話題

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エルピス第3話(写真提供:関西テレビ)

秋ドラマが好調だ。王道ラブストーリーからシリアスサスペンス、探偵もの謎解きミステリー、医療ドラマまで幅広いジャンルから良作が出揃い、序盤からSNSやネットニュースを盛り上げている。

なかでも「silent」(フジテレビ系)の話題性と評判の高さは今期の出足ではダントツのようだが、一方で大きく跳ねそうな予感があるのが「エルピス―希望、あるいは災い―」(関西テレビ・フジテレビ系)だ。“テレビドラマっぽくない”重厚な作りが30代以上のドラマファンの間で話題になっている。

コアなドラマファンを惹きつける社会派サスペンス

「エルピス」は、長澤まさみが演じるスキャンダルによって落ち目になった女性アナウンサーと眞栄田郷敦演じる、バラエティ番組の若手ディレクターが、あるきっかけからすでに犯人の死刑判決が確定している連続女性殺害事件に対して冤罪の疑いを持ち、真相を追い求める物語だ。

その設定や序盤のストーリー展開としてはそれほど目新しいわけではないが、映画のような質感の映像、従来のテレビドラマ的な演出とは距離を置いてシリアスに徹する脚本、物語に重厚感と安定感を与えているキャスト陣の好演が、ドラマファンの間で話題になっている。

「silent」と「エルピス」を、「エルピス」の放送が開始された10月4週目と11月1週目で比較すると、世帯視聴率(個人視聴率)は「silent」5.2%(2.9%)・7.9%(4.7%)、「エルピス」は8.0%(4.4%)・7.3%(3.8%)。Twitterでの放送日と翌日の番組名のリツイート数では、「silent」7.3万・4.7万、「エルピス」2.9万・2.4万だ。

SNSでの話題性が圧倒的に大きい「silent」は、恋愛ドラマ好きの若年層から大きな支持を受けていることがうかがえる。一方の「エルピス」も視聴率では負けていない。主な視聴者層がそれぞれ異なり、「エルピス」は年配層の多いドラマファンが関心を寄せる今期の注目作になっていることがわかる。

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