ドラマ「エルピス」圧倒的な重厚感を生む3つの点 熱量が伝わる脚本や、長澤まさみの熱演も話題

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「エルピス」が30代以上のドラマファンを惹きつけ、重厚な作りとなっているポイントの1つが、彼らの嗜好と合致する、落ち着いたテイストで物語に没頭させるドラマ作りだ。

最初のCMまでの20分間でストーリーの山場を入れて視聴者を引きつけ、後半の10分ごとにCMをはさみながら次週へのフックを作るといった、従来のテレビドラマ仕様であるメリハリの効かせた構成とは、無縁の作りになっている。

もちろん毎回の山場はあるのだが、全話を通したストーリーの流れに視聴者を引き込むことを最優先にした枠組みになっており、毎週の大きなドラマティックな展開がなくとも結果的にその世界観に没入させることができている。

「エルピス」の構成は、ドラマアワードなどで評価を受けているAmazonプライムビデオのオリジナル海外ドラマで多いタイプでもある。ドラマ的な派手な展開よりもリアリティに重きを置くストーリー進行が好まれるドラマファンの世界的な潮流を汲む作風であり、不安定な社会状況下の人々が、エンターテインメントに求める傾向とも合致しているように思える。

「エルピス」の1話目の後半から2話目までのストーリー展開の速さと、シリアスに徹底しつつ静かな物語の進行のなかで巧みに視聴者の心の琴線に触れる演出はまさにその流れ。多くのドラマファンを囲い込むことに成功している。

プロデューサーと脚本家の熱量がにじむ渾身作

「エルピス」が重厚な作りである2つ目のポイントは、日本のメディアのタブーにも切り込んでいく、ドラマのテーマ性と作風から、そこに込められている熱量がひしひしと伝わってくることだ。

エルピス
エルピス第3話(写真提供:関西テレビ)

本作は、プロデューサーの佐野亜裕美氏と脚本家の渡辺あや氏による企画立案から脚本開発を経て、当初はテレビドラマ向きではないとされた作家性の強い企画を6年越しで放送にこぎつけた。ドラマ化を実現したいという想いもあり紆余曲折を経て佐野プロデューサーはTBSからカンテレへ転職。主演の長澤まさみは、脚本を読んだうえで放送が決まる前からオファーを快諾していたことが伝えられている。

次ページ長澤まさみの芝居も話題に
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事